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Showing posts from October, 2020

リチャード二世@新国立劇場

2020年10月4日、新国立劇場にて『リチャード二世』を観劇。歴史劇シリーズの完結編でした(史実の順で最後ということではなく、新国立劇場によるシリーズの完結編という意味です)。 ほぼ同じキャスト・スタッフで上演するという試みならではと思う点が多くありました。ハル王子→ヘンリー五世役の印象が強かった浦井健治さんは、今回はヘンリー・ボリングブルック役でした。後のヘンリー四世、ハル王子の父親です。劇の終盤で「あの放蕩息子は…」と息子のことを気に掛ける台詞がありましたが、ハル王子を演じた俳優の口からその言葉が発せられるところが面白かったです。 リチャード二世役の岡本健一さんは、身体の使い方を含めて演技が良いなと思いました。本シリーズではリチャード三世も演じていた方なので、身体の使い方という点であのリチャード三世も上手く演じたのだろうと思わせてくれました。私はその時の『リチャード三世』は観ていないのですが、映像でも良いからいつか観たいと思いました。 今回の『リチャード二世』をスタートにしてもう一周観てみたいな、と思えるほどの公演でした。12年かけて取り組むのはすごいな…と感動していたところ、劇の最後にはある仕掛けがあって、本シリーズを追ってきた人やシェイクスピア好きにはたまらない演出だと思いました。良い意味でずるい!と思ってしまいました。