2019年8月30日、シドニーのEnsemble Theatreにて『The Last Wife』を観劇。 ヘンリー八世の最後の妻、キャサリン・パーにスポットを当てた作品です。史実をもとにした作品なので堅い感じなのかなと思っていたら、"Too many Catherines"のような際どいジョークにも観客が笑っていたので驚きました。 キャサリンの他の登場人物は、ヘンリー八世、メアリー、エリザベス、エドワード、そしてキャサリンの(元)恋人のトマス・シーモアです。王家の話ではありますが、妻と夫、親と子などの人物関係を見ると家庭悲劇(喜劇?)のようにも見えました。腹違いの姉弟、新しい継母、その恋人など、演劇化したら観客の興味を引きそうな要素がたくさんあるから面白かったのかも。 そういえば音楽も、衣装も、小道具も、古典的なものと現代的なものが両方取り込まれていたのですが、王族としての公的な場面と、父・妻・娘のような私的な場面とで使い分けていたのかもしれません。登場人物はそれぞれケイト、ベス、エディー、トムのように短く呼ばれていたので、それも私的な雰囲気に繋がっているのかもしれません。 エディーがエドワード六世として即位したあたりでこの劇は終わるので、歴史的に面白くなるのはその先といった感じです。でもこの劇だけでも充分面白かった。チューダー王朝は、知れば知るほど興味深いです。