2021年12月3日、Sam Wanamaker PlayhouseにてMeasure for Measureを観劇(2時間40分、休憩込み)。素敵な劇場で観劇体験ができました。
劇場について
Sam Wanamaker Playhouseはグローブ座にある屋内劇場です。17世紀の屋内劇場を再現した劇場で、グローブ座の半屋外劇場が使えない冬場はこちらで公演が行なわれています。
実際に行ってみた感想は、ホームページなどの写真で見るよりずっと小さい!ということです。Pit(半屋外劇場でいう立見席にあたる部分)には座席が4列、Lower Gallery(半円形に囲う客席)には3列、Upper Gallery(その2階席)には4列のみという小さな劇場でした。
17世紀の屋内劇場はロウソクを照明として使っていたため、屋外劇場と比べてコストがかかり入場料も高かったそうです。今回訪れたSam Wanamaker Playhouseは、それに倣っているため照明はロウソクだけでした!(入場料はそれに倣わずお手頃価格だったので安心しました。笑)劇のはじめにロウソクが灯され、その明かりの中で上演が行なわれます。ロウソクの明かりだけでも、役者の表情がしっかり見えるほどの明るさだったので驚きました。
劇について
『尺には尺を』は問題劇というジャンルに属する作品で、上手く上演しないと後味の悪いものになってしまう可能性があります。それでも今回の上演がすっきり楽しめるものだったのは、シリアスな場面とコミカルな場面のメリハリがしっかりしていて暗くなりすぎなかったためかなと思います。登場人物は20人ですが、役者は8人のみで、シリアスな場面もコミカルな場面も演じ分けられる役者の技量は素晴らしいと思いました。
特に印象に残っているのは、ポンピー、マリアナ、ジュリエットの3役を演じ分けたEloise Secker氏です。終演後にホームページで確認するまで同一人物だと気付かなかったほど、コミカルなポンピーからシリアスなマリアナまで演じ分けられる技量を持った人でした。
演出については、ポンピーとマリアナを同一人物が演じるからこそのものだったと思います。劇のはじめにポンピーがタバコをふかしながら登場し、「格好良いな~」くらいにしか思っておらず、休憩明けにはマリアナがお酒を飲みながら登場し、「やさぐれてるな~」くらいにしか思っていなかったのですが、その二役が同じ役者によって演じられていると気付いてからは、「リンクしている!」と思いわくわくしました。このような気付きの瞬間が、観劇の面白いところだったりします。
On 3 December 2021, I saw and heard Measure for Measure by William Shakespeare at Sam Wanamaker Playhouse.
The playhouse was an indoor theatre which imitated that of 17th century. At that time, when there were no electrical lights, they used candle lights to make the theatre bright. Sam Wanamaker Playhouse did so too, and it was much brighter than I have expected.
Measure for Measure, which sometimes belongs to problem plays or dark comedies, may hard to act and direct. However, this production was well acted and directed, and I didn't feel disgusting. I think the actor Eloise Secker was especially great, who played three roles: comical Pompey, serious Mariana, and Juliet, who had only a few lines but with good presence.