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Showing posts from May, 2023

WE HAPPY FEW われら幸運な少数@Pit昴

2023年5月26日、Pit昴にて『WE HAPPY FEW われら幸運な少数』を観劇(3時間、休憩込み)。以下、ネタバレ注意です。 第二次世界大戦下のロンドンで、イギリス演劇を多くの国民に観てもらうために上演を行っていた、女性だけのツアー劇団についての物語でした。実在した劇団がモデルとなっているそうです。 タイトルから想像していた通り、シェイクスピアはもちろん、バーナード・ショーやノエル・カワードへの言及もあり、演劇好きにはたまらない作品でした。 『マクベス』と『ヘンリー五世』を上演する場面がありました。また、劇団の活動時期を回想するという筋書きだったので、芝居の枠組み自体が劇中劇のようだと思いました。そのようにメタシアター的な作品だったので、役者を演じる役者の演技力には目を見張るものがありました。特に、劇団を引っ張っていく役どころのヘティ役とフローラ役の役者が良かったです。 (Caution: contains a spoiler.) On 26 May 2023, I saw and heard We Happy Few by Imogen Stubbs at Pit Subaru in Tokyo. It was a story about a female touring company which performed national plays throughout England during the World War II. As the title suggested, there were allusions to Shakespeare, and also to other playwrights such as Bernard Shaw and Noël Coward. It included play-within-a-plays of Macbeth and Henry V . Also, characters looked back the time when the company was active, so I found the play metatheatrical. In such a play, I admired actors who played actors. In particular, I liked tw...

夏の夜の夢&間違いの喜劇@座・高円寺2

2023年5月12日、座・高円寺2にて『夏の夜の夢』と『間違いの喜劇』を観劇。シェイクスピアシアターの3年ぶりの主催公演でした。 夏の夜の夢 『夏の夜の夢』は劇中劇があったり、妖精が人間の様子を鑑賞するように見たりして、メタシアターのようなところがあります。幕切れでのパックの口上は、役者から観客へのメッセージとして聞こえます。今回の上演では、シェイクスピアシアターの代表・演出がパックを演じていて、「われら役者は影法師」からの一節は特に、3年ぶりに主催公演を行う劇団の新たな決意が見られるような口上でした。 間違いの喜劇 『間違いの喜劇』は双子の取り違えによる誤解が面白い喜劇です。それと同時に、取り違えられることによって「自分は何者なのか?」とアイデンティティーが脅かされるという、シリアスな面も見られます。今回の上演では、役者は全員仮面を着けていました。最初は、双子を演じる役者の顔の違いを隠すためかと思っていましたが、双子とその家族が再会する場面で全員が仮面を外したので、顔を隠すためではないと思い直しました。これは私の推測ですが、家族が再会し、その日の誤解が解けた時、登場人物は自分が何者か分かり、そのことが「仮面を外す」という行為によって表現されていたのかなと思いました。 シェイクスピアシアターの十八番(だと思う)作品をセットで観られて良かったです! On 12 May 2023, I saw and heard A Midsummer Night's Dream and The Comedy of Errors by Shakespeare Theatre, a Japanese theatre company, at ZA-KOENJI Public Theatre in Tokyo. (1) A Midsummer Night's Dream : I think this comedy is a metatheatrical play, because it includes a play-within-a-play and fairies look at humans as if they were watching a play. Then, Puck's speech at the end of the play sounds ...

Romeo and Juliet@上智大学

2023年5月5日、上智大学にて Romeo and Juliet を観劇(2時間25分、休憩込み)。学生による英語上演でした。 衣装や小道具が伝統的で、大胆なアレンジがなかったからこそ、ロミオとジュリエットの若い恋と運命的な結末が際立つ演出でした。対照的な演出として、2021年にロンドンのグローブ座で観劇した Romeo and Juliet を思い出したのですが 、そちらは衣装や小道具が現代風というだけでなく、現代の若者が抱える心理的不安や社会問題を突き付けてくるような上演だったので、ロミオとジュリエットの悲恋に注目するよりも胸が痛くなってしまったのを覚えています。 Romeo and Juliet はあまりにも有名で、アレンジを加えたくなる(そうしないと目立つことができない)作品だと思いますが、今回、あえてそうしない上演を目撃できて良かったです。 On 5 May 2023, I saw and heard Romeo and Juliet by William Shakespeare at Sophia University in Tokyo. It was performed in English by students. The production had conventional costumes and props. That the production wasn't modernized highlighted the pure and tragic love between Romeo and Juliet. As an opposite example, I remember when I saw Romeo and Juliet at Shakespeare's Globe in London in 2021. That modernized production posed problems in today's world such as suicide, forced marriage, drug use and so forth, so I couldn't focus on the love between Romeo and Juliet. I think that the story of...