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Showing posts from April, 2024

狂言「復活」@青山学院講堂

2024年4月27日、青山学院講堂にて狂言「復活」を鑑賞(35分、休憩なし)。青山学院創立150周年を記念した公演でした。 キリスト教に取材した作品でした。それなので、能ではなく狂言として上演されたことが興味深いと思いました。というのは、狂言は市民の日常を描く喜劇で、キリストの復活を題材にした本作品は能の方が似合っているのではないかと、鑑賞前には思っていたからです。 しかし、実際に鑑賞してみると、喜劇的に描かれていて笑える場面もありました。大司祭からお金を受け取るとすぐに意見を変えた番人の場面などは、人間味のあるもので、面白かったです。 能ではなく狂言でという試みも新鮮でしたし、日本の伝統芸能とキリスト教の融合も珍しいものだと思いました。鑑賞できて良かったです。 On 27 April 2024, I saw and heard Kyogen, a Japanese traditional theatre, at Aoyama Gakuin University in Tokyo.  The production I saw was a newly written one, whose theme was the resurrection of Jesus. At first, I thought that such a work could be a Noh production (another Japanese traditional theatre) rather than a Kyogen production, because Noh is usually based on myths or historical stories and Kyogen usually describes daily lives of ordinary people.  However, the work I saw was sometimes comical as Kyogen is. For example, when watchmen changed their opinions just after receiving money, I thought that was so natural as a human being, and thus f...

デカローグ@新国立劇場小劇場

2024年4月13日、新国立劇場小劇場にて『デカローグ』を観劇(2時間、休憩込み)。以下、ネタバレ注意です。 ポーランドのクシシュトフ・キェシロフスキによる、十篇の物語から成る作品で、私が観劇したプログラムAは第1話と第3話の上演でした。 第1話は「ある運命に関する物語」と副題がついていて、教授である父と、彼からコンピューターの使い方を教わる息子の話でした。1980年代が舞台なので、コンピューターの黎明期というところだと思いますが、21世紀のAI時代を予感させる台詞もあり、興味深かったです。そんな中、人の気持ちや、もっと大きく言えば生死といった運命について、計算では答えが出ないということを教えてくれる上演でした。 第3話は「あるクリスマス・イヴに関する物語」と副題がついていましたが、テーマとしては寂しさや噓が挙げられるように思いました。第3話は、ある家族の賑やかなクリスマス・イヴの場面で始まるのですが、第1話で息子を失った父が一人でその家の前を通り過ぎるという演出がされていて、賑やかさとの対比により、寂しさというテーマがここでも提示されているように見えました。 プログラムAは第1話と第3話のセットで、1、2、3、4の順になっていないのは何故だろうかと観劇前には思っていたのですが、このような繋がりが見えたので納得しました。 (Caution: contains a spoiler.) On 13 April 2024, I saw and heard programme A of  Dekalog at New National Theatre Tokyo. Dekalog is a stage adaptation of ten short films by Krzysztof Kieslowski, a Polish film director and screenwriter. Programme A includes episode 1 and episode 3. Episode 1 is about a father, who is a professor, and his son, who is good at using a computer because of the father. The setting of the story i...