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天保十二年のシェイクスピア@日生劇場

2020年2月9日、日生劇場にて音楽劇『天保十二年のシェイクスピア』を観劇。
最初の曲、最初の歌詞の「もしもシェイクスピアがいなかったら文学博士になり損ねた英文学者がずいぶん出ただろう」から心を持っていかれました。
シェイクスピアの全戯曲が散りばめられた作品です。特定の登場人物や場面を思わせる部分から、ふわっとした「シェイクスピアあるある」まで、どこを取っても面白いと思える絵巻物的な作品でした。シェイクスピア作品は「二面性」や「曖昧さ」がキーワードだと、知っているつもりではいましたが、作者・井上ひさしの目を通して今回改めて気付かされました。
もしも私が先生だったら、学生に見せたいな、なんて生意気なことを帰り道に考えてしまいました。



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リア王@彩の国さいたま芸術劇場大ホール

2026年5月23日、彩の国さいたま芸術劇場大ホールにて『リア王』を観劇(3時間40分、休憩込み)。 円形に盛り上がったステージを囲むように椅子が配置されていて、その場面に登場しない役者の一部は退場せず椅子に座っていました。座っている役者が、演技エリアで場面を進める役者(登場人物)たちを見守っているようにも、ただ傍観しているようにも見えました。舞台と客席の間で見る/見られるの二つがありますが、それに加えて舞台の上でも見る/見られるがあるというのは面白かったです。世界劇場(テアトラム・ムンディ)の概念を、舞台上で見られたと思いました。『リア王』には「人間、生まれてくるとき泣くのはな、この阿呆どもの舞台に引き出されたのが悲しいからだ」といった、芝居に例えた台詞があるので、なおさらです。 On 23 May 2026, I saw and heard King Lear by William Shakespeare at Saitama Arts Theater in Saitama. The stage had a round space for acting, and there were chairs around the space. Some of those who were not in the scenes sat on the chairs. They cast a glance at the scenes although they didn't intervene. Such glances on stage reminded me of a concept of theatrum mundi, especially in this production of King Lear , which includes lines such as 'When we are born, we cry that we are come to this great stage of fools.'

リチャード三世@PARCO劇場

2026年5月30日、PARCO劇場にて『リチャード三世』を観劇(3時間、休憩込み)。 リチャード三世は、残虐な悪役として描かれることも、狡猾な政治家のように描かれることもあるキャラクターです。そんな中、今回のリチャード三世は、悪役、国王、政治家といった枠組みに当てはめなくても「言葉や表情や演技で人を動かせることに気持ち良くなっていった人物」に見えました。「なっていった」と書いたのは、場面が進むにつれて段階的にそう見えたからです。リチャード三世を演じた吉田羊さんは、2024年に ハムレット を演じていて、その時にも声の使い分けが特徴的だという印象を受けました。声や表情の使い分けは、登場人物が嘘をついたり、ふりをしたりする場合、普段の演技と比べて二重に大事なものとなりますが、それが上手かったと思います。 On 30 May 2026, I saw and heard Richard III  by William Shakespeare at Parco Theater in Tokyo. Richard can be labelled as a perfect villain, politically wise leader, and so on according to its direction in each production. This time, however, I could see Richard out of such framework, and I found Richard a person who simply enjoys the fact that he can manipulate others by words, expressions, and pretending. An actor who played Richard this time was good at changing her tone of voice depending on scenes when she played Hamlet in 2024 too. Seeing these two productions, I thought Hamlet and Richard were similar in that they had to pre...

インサイド・ウィリアム@三越劇場

2025年3月22日、三越劇場にてミュージカル『インサイド・ウィリアム』を観劇(1時間45分、休憩なし)。 シェイクスピア作品からの引用が多く、シェイクスピア自身も登場するフィクションでした。『ロミオとジュリエット』の原稿と『ハムレット』の原稿が混ざってしまい、ロミオ、ジュリエット、ハムレットが作品を飛び出してシェイクスピアの前に現れ、シェイクスピアどうする!?というのが『インサイド・ウィリアム』の大まかなあらすじです。観劇前にあらすじを知った時、 『Something Rotten!』 や 『The Upstart Crow』 のような笑えるバックステージものを想像していました。それは確かにそうだったのですが、笑えるだけのミュージカルではありませんでした。登場人物がアイデンティティーについて考え始めるという点で、『作者を探す六人の登場人物』のようなメタ構造の作品だと思いました。『インサイド・ウィリアム』では、作者が登場人物にどう生きてほしいと思うか、および、登場人物が自分の人生をどう生きたいと願うかが対立します。その対立を経て、自分の物語の主人公になろうというメッセージが客席に伝わってくる作品でした。「テアトラム・ムンディ」(theatrum mundi)の考え方を舞台上で見せてもらえたように思います。 On 22 March 2025, I saw and heard a musical Inside William at Mitsukoshi Theater in Tokyo.  The musical includes citations from Shakespeare's plays. Shakespeare as a playwright, and Romeo, Juliet, and Hamlet as characters appear in the musical. The plot is about what happens to Shakespeare when his drafts of Romeo and Juliet and Hamlet  are mingled by accident. Knowing the plot before the performance, I assumed that the mix...