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The Play That Goes Wrong at Duchess Theatre

2022年1月8日、Duchess TheatreにてThe Play That Goes Wrongを観劇(2時間15分、休憩込み)。「モンティ・パイソンに乗っ取られた『ねずみとり』」という謳い文句の通り、ある劇団がアガサ・クリスティー風のミステリーを上演しようとするものの上手くいかない、ドタバタな劇中劇を観て笑える作品でした。
頑張るけれど空回り、そんな役者たちの奮闘ぶりが面白い、というのは、シェイクスピアの『夏の夜の夢』の職人たちによる劇中劇を観ているようでした。また、最近の作品で言えばミュージカル『HEADS UP!』の劇中劇を思い出させてくれるものでした。
最後の方は舞台のセットがほとんど崩れてしまうほどで、役者が怪我をしないかな…と一瞬我に返って心配してしまうほどでした。それほど大失敗の劇中劇、だからこそ面白かったです。
もしもこれが本物の「劇」の出来だったら最悪で、観客は怒ったり呆れたりするはずなのに、これが「劇中劇」になった途端、酷ければ酷いほど観客の笑いを誘います。これこそが劇中劇の面白いところだと思いました。

On 8 January 2022, I saw and heard The Play That Goes Wrong at Duchess Theatre. It was a comedy about a play-within-a-play, which was advertised "as though The Mousetrap has been taken over by Monty Python".
A theatre company (not a real one but the one in the play) tried to perform a play, which was like Agatha Christie's one, but it went wrong. That reminded me of the mechanicals in A Midsummer Night's Dream by Shakespeare, and a scene of a play-within-a-play in Heads Up!, a Japanese musical.
If a play goes wrong, audiences would get angry. But when a play-within-a-play goes wrong, that makes audiences laugh. That's the essence of a play-within-a-play, I think.






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ザ・シャーロック@イマーシブ・フォート東京

2025年3月5日、イマーシブ・フォート東京にて体験型演劇『ザ・シャーロック』を体験(120分、休憩込み)。従来の演劇とは異なる体験ができて面白かったです。 体験型演劇について イマーシブ・フォート東京は没入型の体験ができるパークです。3月5日現在、4つの作品が上演されていました。私が体験した『ザ・シャーロック』は、舞台上の出来事を客席から観る従来の演劇とは異なり、複数の場所で同時多発的に場面が進むものでした。どの登場人物を追っても良いので、どこを見るかによって得られる情報が異なり、それによって作品に対する感想も一人一人異なるだろうという点が興味深かったです。 作品について 『ザ・シャーロック』は19世紀ロンドンのベイカーストリートが舞台で、シャーロック・ホームズやワトソン、モリアーティ教授などが登場します。ホームズファンには嬉しいものだと思います。また、イギリスが好きという人も楽しめるものだったと思います。というのは、登場人物の衣装や、部屋や街並みのセットが上手く再現されていたと思ったからです。本当に当時のロンドンに紛れ込み、ホームズたちを間近で見ているような気分になりました。 上演後、友人(一緒に行ったけれど上演中は別行動だった友人)と考察し合うのも楽しかったです。異なる場所で異なる場面が展開される今回の作品においては、自分の見たものが絶対的な正解ではなく、作品の一部に過ぎませんし、真犯人による見せかけである可能性もあります。そのような上演の仕方は、ミステリーと相性が良いと思いました。被害者側の場面を中心に目撃した友人と、ホームズを中心に追っていた私が感想を話し合った時、見てきた出来事のタイムラインが異なり、別の作品のようで驚きました。それでも、少しずつ重なる情報もあったので、相手の話を聞いているうちに「(自分が見た時は)この台詞の意味だけ理解できなかった…」と思っていたところに対してパズルのピースが埋まっていくようで気持ちが良かったです。終演時にドリンクチケットをもらい、引き換えた飲み物を片手にパーク内のレストランで話すという、素敵な時間でした。従来の演劇でも、観劇後にカフェなどに立ち寄って感想を話すことがあります。演劇はコミュニケーションのきっかけになると思います。 没入について 19世紀のロンドンに紛れ込んで、ホームズたちの周りで起きる出来事を目撃したよう...

Liverpool

リバプールを旅行しました。写真を中心にお届けします。 港町の雰囲気を楽しみました ビートルズで有名なキャバーン・クラブ キャバーン・クラブがあるマシュー・ストリート ビートルズのメンバーの像 リバプール博物館 テート・リバプールは横浜の赤レンガ倉庫のような雰囲気でした リバプール大聖堂 シェイクスピア・ノース・プレイハウス ここで観たイベントについては こちらの記事 に書きました ウォーカー・アート・ギャラリーにはリチャード三世を演じる ギャリックの有名な絵がありました I visited Liverpool. I took photos of the Cavern Club, Mathew Street, and the statues of the members of The Beatles. I also visited Tate Liverpool, Liverpool Cathedral, and Walker Art Gallery, where I saw the famous David Garrick as Richard III by William Hogarth.  My first purpose of visiting Liverpool this time was to experience Shakespeare North Playhouse, which I found a wonderful venue. As for the event at the playhouse that I attended, you can read the post from this link .

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2022年12月27日、Bunkamura シアターコクーンにて『ジョン王』を観劇(3時間、休憩込み)。以下、ネタバレ注意です。 皇太后エリナー、コンスタンス、ブランシュが印象的でした。これらの役について、オールメールキャストでの歴史劇という共通点のためか、2017年にシルヴィウ・プルカレーテ演出でほぼオールメールで上演された『リチャード三世』を思い出しました。 エリナーとコンスタンスの強くて脆いところは、『リチャード三世』のマーガレットと似ていると思いました(強くて脆い、というのが最適な表現なのかは分かりませんが、ジョンを王とするエリナーと、アーサーの王権を主張するコンスタンスが罵り合う場面は強く、彼女たちが戦争に巻き込まれて動揺したり狂ったりする場面は痛切なものだと思ったので、「強くて脆い」と書きました)。また、ブランシュは『リチャード三世』のアンと似ているところがあると思いました。 『ジョン王』は二つの歴史劇四部作に属さず、史実では時間的な隔たりがありますが、似ている点を見つけることができて興味深かったです。 (Caution: contains a spoiler.) On 27 November 2022, I saw and heard King John by William Shakespeare at Bunkamura Theatre Cocoon in Tokyo. Female roles such as Queen Elinor, Constance and Blanch were impressive for me. They reminded me of Richard III , directed by Silviu Purcarete, a Romanian director, in 2017. Perhaps this is because both of the productions were histories with all-male casting (that being said, Purcarete's Richard III had only one role played by a female actor). Elinor and Constance were similar to Margare...