Skip to main content

陽気な幽霊@シアタークリエ

2025年5月10日、シアタークリエにて『陽気な幽霊』を観劇(3時間、休憩込み)。
嚙み合わない会話や嫉妬によって笑える喜劇でしたが、終わり方はしっとりとしたものでした。二人の妻の霊を見送ったチャールズが、寂しそうで、でも解放されたようにも見え、印象的でした。この場面が特に心に残ったのは何故か思い返してみると、2021年にロンドンのHarold Pinter Theatreで観た上演では、この場面がカットされていたからだと思います。その上演では、エルヴィラの霊をあの世に戻すことができず、ルースの霊まで呼び出してしまった、というところで終わっていたと思います。記憶が曖昧な部分もありますが、当時の観劇ノートを見返すと、マダム・アーカティの失敗が観客の笑いを誘って幕、と書いてあり、上演時間も40分ほど差があるので、そうだったはずです。『陽気な幽霊』を観るのはその時が初めてだったので、そのような終わり方をするものだと思い込んでいました。それなので、今回初めて観た最後の場面が、特に印象に残ったのだと思います。
笑いと感動の両方を楽しめた舞台、観ることができて良かったです。

On 10 May 2025, I saw and heard Blithe Spirit by Noël Coward at Theatre Creation in Tokyo. 
The play, full of misunderstandings and jealous, was a hilarious comedy. However, the very last scene was a touching one. When the wives' spirits had gone, Charles looked sad but a little relieved. I wondered why this scene was especially touching for me, and I realised the past production that I saw at Harold Pinter Theatre in London (2021) didn't include this scene so it was fresh for me this time. In that version, the play ended when Elvira's spirit couldn't disappear and instead Ruth's spirit appeared. I don't remember exactly, but I think so because that production was 40 minutes shorter than the one I saw this time. Because of the difference, the last scene of this production was impressive for me.
I enjoyed a funny but heartwarming play.



Popular posts from this blog

A Midsummer Night's Dream at The Other Place

2026年8月28日、ストラットフォード・アポン・エイヴォンのThe Other Placeにて A Midsummer Night's Dream を観劇(90分、休憩なし)。ロンドンのユニコーン・シアターとの共作ということもあり、子供や若者にもアクセシブルな上演でした。ここで「アクセシブルな」と書いたのは、二つの視点からそう思ったためです。 一つは、上演時間が90分で、疲れることなく見られたという点です。それでも、大きくカットされた場面は思い当たらず、満足感を得られる上演でした。実のところ、できるなら上演台本を手に入れて他の版と照らし合わせてみないとカット箇所が分からないくらい、自然な流れでした。子供や若者の集中力を考えても、内容の深さからしても、ちょうど良い上演だと思いました。 もう一つは、登場人物の名前と発せられる台詞が映像のように映し出されていたことです。舞台セットの背景には、色が薄く平らな部分があったのですが、タイミング良く、キャラクターに似合うフォントの文字が踊るように映し出されていたので、単なる字幕というよりは演出の一部のように見えました。これは幼い観客にも伝わりやすいというだけでなく、デジタルの作品に慣れている現代の観客にやさしいものだと思ったので、年齢というよりは世代の話かもしれません。それでも役者たちは身体を駆使して演じていたので、生の演劇としての魅力も感じ取れる、面白い上演でした。 On 28 August 2026, I saw and heard A Midsummer Night's Dream by William Shakespeare at The Other Place in Stratford-upon-Avon. As it was a co-production with the Unicorn Theatre, I thought it was an accessible version for children and young audiences. The word 'accessible' has many meanings, but I say so here based on two ideas below. First, it was a 90-minute-long pe...

Much Ado About Nothing at Shakespeare's Globe

2026年8月25日、Shakespeare's Globeにて Much Ado About Nothing を観劇(2時間25分、休憩込み)。グローブ座を訪れるのは約4年振りでしたが、先週の続きくらいの感覚で観劇できました。以下、ネタバレ注意です。 最後の場面まで笑える箇所がたくさんあり、最後の場面のみ不安が残る、そんな演出でした。笑える箇所としては、ベネディックとベアトリスが騙される場面はもちろん、ベアトリスの才気煥発でドン・ペドロが振られる(?)ところや、"Kill Claudio"の台詞でも客席から笑いが出ていました。テンポが良く、楽しい上演だと全体的には思いました。 しかし最後の場面で、ヒアローは納得していないように見えました。濡れ衣が濡れ衣だったと分かったことは良かったですし、ヒアローとクローディオは確かに結ばれるのですが、めでたしめでたしという雰囲気はなく、ベアトリスとベネディックが結ばれるから「まあいいか」と手を取る、というように見えました。パンフレットの表紙には"Let the battle begin"と書かれていて、はじめはベアトリスとベネディックの「陽気なバトル」のことを指しているのだと思いましたが、もしかしたらヒアローとクローディオのぎくしゃくした感じも暗示されているのでは…と今になって思います。 Much Ado About Nothing はイギリスで人気の作品で、私も何度も観たことがありますが、このような終わり方は初めてでした。 (Caution: contains a spoiler.) On 25 August 2026, I saw and heard Much Ado About Nothing by William Shakespeare at Shakespeare's Globe. It was hilarious until the last scene. The audience laughed a lot, especially when Benedick and Beatrice were tricked, when Don Pedro was rejected by Beatrice (it was not a serious heartbreak th...

A Midsummer Night's Dream at Shakespeare North Playhouse

2026年8月27日、リバプールのShakespeare North Playhouseにて A Midsummer Night's Dream を観劇(2時間35分、休憩込み)。 役者は4人のみ、それでも登場人物・台詞・場面をほとんどカットせずに上演していたので驚きました。一つの場面で二役以上演じることになる場合、役者は小道具を持ち替えることで役が切り替わったことを示したり、ローブを公爵に見立てて話したりしていました。このやり方は、2022年にロンドンのThe Cockpitで観劇した Much Ado About Nothing を思い出させるものでした。その時の5人の役者も、今回の4人の役者も、最後の場面で二組の恋人たちがきれいに並ぶ配役となっていたので、やはり喜劇の中心人物は4~5人必要なのだと、視覚的に実感することができました。もちろん名脇役がいたり、小さな役が良い台詞を言ったりすることもあるので、どの役も無視できないのですけどね。 On 27 August 2026, I saw and heard A Midsummer Night's Dream by William Shakespeare at Shakespeare North Playhouse in Liverpool. There were only four actors, but it was almost a full version of the play. When an actor played two or more roles in one scene, he used props to show which character he was playing. This way of expression reminded me of Much Ado About Nothing , which I saw at The Cockpit in London in 2022. In both productions, actors played two pairs of lovers as their core characters, and they were in charge of other characters too. Then, the two...