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Henry VI: Rebellion at Royal Shakespeare Theatre

2022年4月16日、Royal Shakespeare TheatreにてHenry VI: Rebellionを観劇(3時間5分、2回の休憩込み)。タイトルが変えられていますが、シェイクスピアの『ヘンリー六世第2部』です。(以下、ネタバレ注意です。)

演出について
今回の上演では、印象的だった演出が二つあります。一つは映像の使用で、時々映画のように、登場人物の表情が背景に映し出されていました。もう一つは独白の表現方法で、話し手のみにスポットライトが当てられ、他の登場人物は暗闇の中で動きを止め、独白を言う人物が目立っていました。映像や照明を使った演出ということで、どちらもグローブ座では出来ない演出だと思いました。

トラブルについて
2回目の休憩直後、舞台装置にトラブルがあり、10分ほど上演が中断されました。私は役者の安全を心配して落ち着かなかったのですが、周りの観客はトラブルさえも楽しんでいるようで驚きました。無事に上演が再開した時には客席から拍手が沸き起こり、まさに芝居は生ものだと思える瞬間に立ち会えました。

2日後にはWars of the Roses(シェイクスピアの『ヘンリー六世第3部』)も観ます!楽しみです。

(Caution: this post includes the content of a production. If you're going to see the production, you might not want to read this post before you see it.)
On 16 April 2022, I saw and heard Henry VI: Rebellion at Royal Shakespeare Theatre. Although the title was changed as such, the story was Henry VI, Part 2 by William Shakespeare.
In this production, footages of actors' facial expression were sometimes reflected on a screen on the stage. I thought it was cinematic. Also, when an actor spoke a soliloquy, the light was casted on the character and other characters on stage stopped their movement in darkness, which made the character stand out. Both of the use of footages and the design of soliloquies were possible because Royal Shakespeare Theatre is an indoor theatre, unlike Shakespeare's Globe.
During the performance I saw, there was a technical problem and the performance stopped for a while. I was anxious about actors' safety (fortunately, they were in safe), and other audiences seemed to even enjoy the trouble. I hope such a trouble don't happen again, but I was kind of lucky to see such an event.
I will also see Wars of the Roses (Shakespeare's Henry VI , Part 3) in two days. I'm looking forward to seeing the following play.



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