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Henry V at Sam Wanamaker Playhouse

2022年11月19日、Sam Wanamaker PlayhouseにてHenry Vを観劇(2時間20分、休憩込み)。以下、ネタバレ注意です。
この上演は、途中まで入退場用のドアがカーテンでふさがれていて、役者は全員舞台上の椅子に座り、登場する時に「誰々登場」とト書きを言って立ち上がり、演技に入るというやり方で上演されていました。役者たちは台本こそ持っていなかったものの、ト書きを読むという試みは朗読劇に近い上演だと思いました。今回の上演では、序詞役の存在がカットされていました。観客の想像力を願うプロローグがなかった分、役者自身がト書きを読むということで補われていたように思えました。

(Caution: contains a spoiler.)
On 19 November 2022, I saw and heard Henry V by William Shakespeare at Sam Wanamaker Playhouse.
Until a certain point of the play, they didn't use doors and all of the actors were on stage. They were sitting on chairs on the stage, and when a character entered, the actor read the stage direction to explain the character enters. Although they didn't have scripts on their hands, the production was somewhat close to play-reading. In this production, the Chorus didn't appear. When the Chorus, who asks audiences to have imagination, doesn't appear, it may be a plausible choice to make actors read stage directions.



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