Skip to main content

Posts

Showing posts from February, 2023

イエローヘルメッツのFacebookで新連載を開始します

イエローヘルメッツのFacebookページにて、2023年3月1日より新連載を開始します。#とりピア といいます。とりあえず知っておいて損はないシェイクスピアの略です。ハッシュタグとともに応援、よろしくお願いいたします。 明日使えそうな言葉から、人生を変えるかもしれない名言まで、シェイクスピアの言葉を紹介していきます。1週間に3回ほどのペースで更新していく予定です。 こちらのページ をフォローして、連載開始をお待ちください。 お楽しみに!

聖なる炎@俳優座劇場

2023年2月27日、俳優座劇場にて『聖なる炎』を観劇(2時間35分、休憩込み)。以下、ネタバレ注意です。 サマセット・モームの戯曲で、舞台は第一次世界大戦後のロンドン、事故で半身不随になってしまったモーリスをめぐる物語です。彼は謎の死を遂げるので、作品にはミステリーの要素があるのですが、単なる"whodunit"にはとどまらず、登場人物間の関係性が奥深い、人間のドラマだと思いました。例えば、モーリスの死因をめぐって、真実を追い求めるために検死をするべきだと主張する看護婦(今回の上演では「看護婦」という表現が使われていました)と、厄介を避けたいので良い顔をしない医師の対立。また、無理に振る舞う陽気な一面のみを見せられていたモーリスの妻と、彼の弱気な本音を受け止めてきた看護婦とでは、どちらが彼と近しい関係だったと言えるのか。などなど、考えさせられる場面がたくさんありました。 モームの作品を観るのは初めてでした。風習喜劇の系統をたどれる作家だと思うのですが、笑えるだけでない部分も見せてくれる上演でした。 (Caution: contains a spoiler.) On 27 February 2023, I saw and heard The Sacred Flame by William Somerset Maugham at Haiyuza Theater in Tokyo. It was a story about Maurice, who got seriously injured by a plane crash after the World War I. He mysteriously dies, so the genre of the play is a mystery to some extent. However, I thought the characterisation of all characters were well written, so it was not a simple "whodunit" play for me. For example, which is right: a nurse who demands autopsy to reveal the truth, or a d...

蜘蛛巣城@KAAT神奈川芸術劇場

2023年2月25日、KAAT神奈川芸術劇場にて『蜘蛛巣城』を観劇(2時間20分、休憩なし)。以下、ネタバレ注意です。 黒澤明監督の映画『蜘蛛巣城』を舞台化したものでした。舞台作品である『マクベス』が映画になって、それがまた舞台に戻ってくるという、メディアの行き来が興味深いと思いました。 映画がもとになっているだけあり、舞台美術はスペクタクルな感じがしました。劇場で映画を観ているようでした。 視覚の他に、聴覚でも気になるところがありました。要所要所で音楽が流れるのですが、それが異国情緒の漂う歌でした。アジアのどこかのように聞こえました(何語かは分かりませんでした)。『マクベス』が書かれたイギリスでもなく、映画の『蜘蛛巣城』がつくられたた日本でもないというのは、更なるアダプテーションのように思えました。 (Caution: contains a spoiler.) On 25 February 2023, I saw and heard Throne of Blood at Kanagawa Arts Theatre in Yokohama. It was a stage version of Akira Kurosawa's film, Throne of Blood , which is an adaptation of William Shakespeare's Macbeth . I found it intriguing that Macbeth , a stage play, went into a film, and then it came back to a stage.  As this stage production was made from a film, the scenery on the stage looked spectacle. I felt as if I watched a film at a theatre. Besides sights, sound effects were also interesting. The production used songs at some important scenes, and they sounded like ones from somewhere in ...

間違いの喜劇@早稲田大学大隈小講堂

2023年2月5日、早稲田大学大隈小講堂にてリーディング公演『間違いの喜劇』を鑑賞(1時間55分、休憩なし)。早稲田大学の学生による「早稲田大学シェイクスピア上演プロジェクト」の第6回公演でした。本プロジェクトの公演を鑑賞するのは初めてでした。2016年に始まったプロジェクトだそうです。近年、シェイクスピア劇の上演に取り組む大学が増えているように思えて嬉しいです。 大学の行事としての上演だそうで、早稲田大学がシェイクスピア教育に力を入れていることがうかがえました。また、今回の公演はシェイクスピアシアターの高山健太さんを演出家に迎えての上演でした。良い意味で学生らしくなく、シェイクスピアシアターの上演を観ているようでした。リーディング公演ということで、出演者は台本を持っていましたが、演技もしっかりしていたので見応えがありました。学生のうちからプロとともにシェイクスピア劇に取り組めるなんて、うらやましいです。 On 5 February 2023, I saw and heard a play-reading and acting of The Comedy of Errors by William Shakespeare at Waseda University in Tokyo. It was the 6th production of a project called "Waseda Shakespeare Project", for which students at Waseda University perform a play by Shakespeare in Japanese once a year. It started its activity in 2016. I think there are increasing number of universities which have opportunities for students to perform Shakespeare's plays in recent years. I'm glad about that if it is true. The project is supported by Waseda University. Also, th...

木ノ下歌舞伎 桜姫東文章@あうるすぽっと

2023年2月2日、あうるすぽっとにて木ノ下歌舞伎『桜姫東文章』を観劇(3時間10分、休憩込み)。歌舞伎を原作とした芝居でした。以下、ネタバレ注意です。 木ノ下歌舞伎を観るのは初めてでした。木ノ下歌舞伎が毎回そうなのかは分かりませんが、今回の上演は、出演者の一人の言葉を借りれば、リアリズム演劇の対極に位置し、ブレヒト的な演出でした。最初は戸惑いましたが、筋書きはシェイクスピア作品を思わせるところがあって面白かったです。桜姫とその子供の境遇は『ペリクリーズ』などのロマンス劇のようで、権助の悪役ぶりと成り上がり精神はリチャード三世のようでした。歌舞伎とシェイクスピアは似ているところがあるとよく言われますが、筋書きにおいても類似点を見つけることができて興味深いと思ったので、歌舞伎の『桜姫東文章』も機会があれば観てみたいと思いました。 (Caution: contains a spoiler.) On 2 February 2023, I saw and heard Sakurahime Azuma Bunsho at Owlspot Theatre in Tokyo. It is a new play based on kabuki. According to one of the actors, the production has Brecht-like direction. At first, I got confused by the mixture of kabuki and Brecht, but then I found the production interesting because the plot reminded me of some of Shakespeare's plays. For example, the heroine's and her baby's situations are similar to those of characters in the romances such as Pericles , and the protagonist's characteristics such as villainy and ambition are similar to those of Rich...