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蜘蛛巣城@KAAT神奈川芸術劇場

2023年2月25日、KAAT神奈川芸術劇場にて『蜘蛛巣城』を観劇(2時間20分、休憩なし)。以下、ネタバレ注意です。
黒澤明監督の映画『蜘蛛巣城』を舞台化したものでした。舞台作品である『マクベス』が映画になって、それがまた舞台に戻ってくるという、メディアの行き来が興味深いと思いました。
映画がもとになっているだけあり、舞台美術はスペクタクルな感じがしました。劇場で映画を観ているようでした。
視覚の他に、聴覚でも気になるところがありました。要所要所で音楽が流れるのですが、それが異国情緒の漂う歌でした。アジアのどこかのように聞こえました(何語かは分かりませんでした)。『マクベス』が書かれたイギリスでもなく、映画の『蜘蛛巣城』がつくられた日本でもないというのは、更なるアダプテーションのように思えました。

(Caution: contains a spoiler.)
On 25 February 2023, I saw and heard Throne of Blood at Kanagawa Arts Theatre in Yokohama.
It was a stage version of Akira Kurosawa's film, Throne of Blood, which is an adaptation of William Shakespeare's Macbeth. I found it intriguing that Macbeth, a stage play, went into a film, and then it came back to a stage. 
As this stage production was made from a film, the scenery on the stage looked spectacle. I felt as if I watched a film at a theatre.
Besides sights, sound effects were also interesting. The production used songs at some important scenes, and they sounded like ones from somewhere in Asia (I had no idea in what language the lyrics were, though). They were not English, where Macbeth was written, nor Japanese, where Throne of Blood was made, so I thought the stage production with such "foreign" songs was an adaptation's adaptation.



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