2023年7月17日、パルテノン多摩にて『オイディプス王』を観劇(2時間10分、休憩なし)。
コロスの台詞が印象的な上演でした。コロス役は16人いたのですが、個々のコロスによる台詞というのはほんの一部で、ほとんどの台詞は16人が声を揃えて言っていました。これは私にとって新しい体験で、はじめは戸惑いましたが、民衆の声を表したり、オイディプスへの呼びかけをダイナミックなものにしているのだなと徐々に思うようになりました。
(突然ですが他の上演企画と比較してみると…)シェイクスピア作品上演企画のイエローヘルメッツでは、コロスのような役割を持つ「黒コート」が登場します。語り手的な存在になったり、登場人物に話しかけたり、多様な役割を持つのですが、イエローヘルメッツの黒コートの台詞は、全員が声を揃えて言うものと、それぞれの黒コートが一行ずつ(あるいは句読点で区切って)言うものの二種類があります。この二種類のミックスに慣れていたので、前者の割合が多い『オイディプス王』は新鮮でした。
ギリシャ悲劇のコロスは他の作品でもそうなのか気になりました。これまでギリシャ悲劇は何本か観ていますが、気に留めていなかったので…ということはここまで声を揃えたコロスを観たり聴いたりしたことはなかったのだと思います。これからギリシャ悲劇を観劇する時にはコロスに注目したいです。
On 17 July 2023, I saw and heard Oedipus Tyrannus at Parthenon Tama in Tokyo.
There were 16 chorus members. I was surprised that the most of chorus's lines were spoken by them together, rather than each member speaks line by line.
I am familiar with the latter, because such a way of speaking is one of the theatrical strategy by the Yellow Helmets, my favourite theatre company in Japan.
I wondered if chorus members speak their lines together in other Greek tragedies. When I saw and heard other ones, I didn't pay attention to this point. I want to listen carefully how chorus members speak their lines in the future.