Skip to main content

第1回下北沢国際人形劇祭 道化恐怖症@ザ・スズナリ

2024年2月27日、ザ・スズナリにて『道化恐怖症』を観劇(1時間30分、休憩なし)。第1回下北沢国際人形劇祭参加作品で、イギリスのOpposable Thumb Theatreによる人形劇でした。
ポコという人形に支配される二人の道化についての芝居でした。それなので人形が登場し、当然人形劇と言えるのですが、二人の道化がまるで人形であるかのように操られる場面も、またある種の人形劇のように見えて興味深かったです。道化役の役者は身体の使い方が上手く、マリオネットのように見えました(ちなみに、ポコはパペットタイプの人形でした)。
舞台セットや小道具は段ボールでできていて、ドアや銃やチェーンソーはそのままでは本物らしく見えないのですが、観客の想像力によって補われていました。と言っても、観客の想像力に頼りきるのではなく、ドアの開閉やチェーンソーの効果音に合わせて、役者が上手に動いていたので、自然とそう見えたという感じがしました。
英語上演でしたが、人形ありパントマイムありで視覚的に楽しめたので、言葉の壁を超えた芝居だと思いました。面白かったです。

On 27 February 2024, I saw and heard a puppet show at The Suzunari in Tokyo. It was performed by Opposable Thumb Theatre from England, participating Shimokitazawa International Puppet Festival.
It was a play about two clowns who were controlled by a puppet. Then it was of course a puppet show, but I could perceive another level of a puppet show, because the manipulated clowns moved their limbs as if they were marionettes.
Props, such as a door, a gun, a chainsaw and so on, were made by cardboards, but they looked real by audiences' imagination. It doesn't mean the actors asked audiences to use their imagination. Rather, the actors evoked audiences' imagination, by acting well to the sound effects of opening and closing a door and using a chainsaw.
It was performed in English, but there wasn't the language barrier. It was visually enjoyable by the puppet and the clowns' pantomime.

(開演前の様子です。)


Popular posts from this blog

ザ・シャーロック@イマーシブ・フォート東京

2025年3月5日、イマーシブ・フォート東京にて体験型演劇『ザ・シャーロック』を体験(120分、休憩込み)。従来の演劇とは異なる体験ができて面白かったです。 体験型演劇について イマーシブ・フォート東京は没入型の体験ができるパークです。3月5日現在、4つの作品が上演されていました。私が体験した『ザ・シャーロック』は、舞台上の出来事を客席から観る従来の演劇とは異なり、複数の場所で同時多発的に場面が進むものでした。どの登場人物を追っても良いので、どこを見るかによって得られる情報が異なり、それによって作品に対する感想も一人一人異なるだろうという点が興味深かったです。 作品について 『ザ・シャーロック』は19世紀ロンドンのベイカーストリートが舞台で、シャーロック・ホームズやワトソン、モリアーティ教授などが登場します。ホームズファンには嬉しいものだと思います。また、イギリスが好きという人も楽しめるものだったと思います。というのは、登場人物の衣装や、部屋や街並みのセットが上手く再現されていたと思ったからです。本当に当時のロンドンに紛れ込み、ホームズたちを間近で見ているような気分になりました。 上演後、友人(一緒に行ったけれど上演中は別行動だった友人)と考察し合うのも楽しかったです。異なる場所で異なる場面が展開される今回の作品においては、自分の見たものが絶対的な正解ではなく、作品の一部に過ぎませんし、真犯人による見せかけである可能性もあります。そのような上演の仕方は、ミステリーと相性が良いと思いました。被害者側の場面を中心に目撃した友人と、ホームズを中心に追っていた私が感想を話し合った時、見てきた出来事のタイムラインが異なり、別の作品のようで驚きました。それでも、少しずつ重なる情報もあったので、相手の話を聞いているうちに「(自分が見た時は)この台詞の意味だけ理解できなかった…」と思っていたところに対してパズルのピースが埋まっていくようで気持ちが良かったです。終演時にドリンクチケットをもらい、引き換えた飲み物を片手にパーク内のレストランで話すという、素敵な時間でした。従来の演劇でも、観劇後にカフェなどに立ち寄って感想を話すことがあります。演劇はコミュニケーションのきっかけになると思います。 没入について 19世紀のロンドンに紛れ込んで、ホームズたちの周りで起きる出来事を目撃したよう...

インサイド・ウィリアム@三越劇場

2025年3月22日、三越劇場にてミュージカル『インサイド・ウィリアム』を観劇(1時間45分、休憩なし)。 シェイクスピア作品からの引用が多く、シェイクスピア自身も登場するフィクションでした。『ロミオとジュリエット』の原稿と『ハムレット』の原稿が混ざってしまい、ロミオ、ジュリエット、ハムレットが作品を飛び出してシェイクスピアの前に現れ、シェイクスピアどうする!?というのが『インサイド・ウィリアム』の大まかなあらすじです。観劇前にあらすじを知った時、 『Something Rotten!』 や 『The Upstart Crow』 のような笑えるバックステージものを想像していました。それは確かにそうだったのですが、笑えるだけのミュージカルではありませんでした。登場人物がアイデンティティーについて考え始めるという点で、『作者を探す六人の登場人物』のようなメタ構造の作品だと思いました。『インサイド・ウィリアム』では、作者が登場人物にどう生きてほしいと思うか、および、登場人物が自分の人生をどう生きたいと願うかが対立します。その対立を経て、自分の物語の主人公になろうというメッセージが客席に伝わってくる作品でした。「テアトラム・ムンディ」(theatrum mundi)の考え方を舞台上で見せてもらえたように思います。 On 22 March 2025, I saw and heard a musical Inside William at Mitsukoshi Theater in Tokyo.  The musical includes citations from Shakespeare's plays. Shakespeare as a playwright, and Romeo, Juliet, and Hamlet as characters appear in the musical. The plot is about what happens to Shakespeare when his drafts of Romeo and Juliet and Hamlet  are mingled by accident. Knowing the plot before the performance, I assumed that the mix...

自己紹介 / Introducing myself

改めまして、Rena Endoです。所属が変わったので自己紹介を更新します。 「イギリスに留学中の演劇好きな大学院生」を名乗っていましたが、イギリスで修士課程を終え、帰国しました。「日本で博士課程に取り組む演劇好きな大学院生」になりました。今後は観劇の感想、美術展や旅行などの趣味について、そして研究活動の報告といった投稿が多くなると思います。日本語と英語の両方で書こうと思うので、英語圏の友人にも読んでもらえたら嬉しいです。特に観劇の感想について、日本にはこんな舞台作品があるんだよ!と伝えたいです。 留学生活と海外生活のカテゴリーは、今後は更新しなくなりますが、イギリス留学中に投稿したものは残しておきます。これから留学を考えている方や、イギリスでの生活に興味のある方は、ぜひ覗いてみてくださいね。 これからもよろしくお願いいたします。 Hello, I'm Rena Endo from Japan, who like going to theatres and major Shakespeare's plays. I was an MA student in England, but now I'm a doctoral student in Japan. Since I went back to Japan and my position changed from an MA student to a doctoral student, I rewrite this "Introducing myself" page.  As such a postgraduate student, I will write posts for categories of "Theatre", "Interest", and "Research / Activity" in this blog from now on. The posts will be written both in Japanese and in English, so I'll be happy if English-speaking people read my blog. Especially, ...