SOMPO美術館にて開催中の展覧会「カナレットとヴェネツィアの輝き」に行ってきました。18世紀ヴェネツィアのヴェドゥータの巨匠、カナレット(ジョヴァンニ・アントニオ・カナル)の作品を中心に集めたものでした。
カナレットの風景絵は、写真のようにリアルな描写が特徴で、その場所を実際に訪れたような気持ちにさせてくれます。現代の人が写真を見て旅行に行きたくなったり、旅行先で記念に絵葉書を買ったりするのと似ていると思います。実際、カナレットが生きていた当時は、グランド・ツアーでイタリアを訪れた人々が記念に彼の絵を購入していたそうです。
…と、ここまでは今回の展覧会に行く前から思っていたことでした(以前、日本やイギリスの美術館を訪れた時の投稿にも、同じようなことを書いています)。今回の展覧会で初めて知ったことは、構図や光の入り方などにおいては「演出」がなされていたということです。例えば、ある建物が実際の遠近法では考えられない大きさになっていたり、光の入り具合が調整されていたり、という点が見られる作品もあるということです。絵のタッチがリアルであるために、本物の景色をそのまま写したのだと思い込んでいましたが、そうではない作品もあると知って驚きました。現代でも、拡張現実で景色を演出する楽しみがあると思います(ゼロから想像/創造することもできますが、この場合はそこまでいかないので「演出」と言いたいと思います)。そう考えると、カナレットの手法は現代に通じるところがあり、興味深いと思いました。
カナレットの絵が好きなので、いつかヴェネツィアを訪れて、絵と同じ構図で景色の写真を撮ってみたいという夢があります。今回の展覧会を訪れて、あらためてそう思いました。
I visited Sompo Museum of Art in Tokyo and saw an exhibition titled "Canaletto and the Splendour of Venice". It focused on the works by Giovanni Antonio Canale, known as Canaletto.
I like his landscape paintings because they are so realistic that I feel as if I were in the places painted. It is like we get interested in somewhere when we see some photos of the place or we like to buy a postcard as a souvenir when we went on a trip. In fact, in 18th century when Canaletto lived, many people bought his paintings to commemorate their experiences of the Grand Tour in Venice.
That's what I had known about Canaletto before the exhibition. In addition, I learned a new thing this time - that his paintings were not always real. For example, he sometimes painted a building bigger than in the actual landscape. Of course, his way of painting was so detailed just like photographs, but that didn't mean they were the exact copies of the actual landscape. It was interesting to know that he added his intention, and probably customers' preference, to what he saw and then created realistic-looking but not accurate paintings.
I wish to visit Venice to see what Canaletto saw and take photos which look like Canaletto's paintings someday in the future.