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Showing posts from September, 2022

イエローヘルメッツ解剖講座で講師を務めました

事後報告になりますが、先日イエローヘルメッツが開催したオンライン講座「イエローヘルメッツ解剖講座」で講師を務めました。生配信は終わってしまいましたが、アーカイブ配信もあるので、その宣伝をさせてください。 2022年8月にイエローヘルメッツが上演した『ヴェニスの商人』を題材に、山崎清介さんの脚本と小田島雄志先生の翻訳を比較し、イエローヘルメッツが作る«難しすぎず簡単すぎないシェイクスピア»を脚本の面から解剖しました。詳細、ご購入は こちらのページ からどうぞ。 夏に行われたクラウドファンディングのリターンだったので、リターンを申し込んだ方しか参加できないと私が思い込んでしまい、事前の宣伝を怠ってしまいました。実際は今からでもアーカイブ配信をご購入いただけます。ご興味のある方は、チェックしていただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。

John Gabriel Borkman at Bridge Theatre

2022年9月24日、Bridge Theatreにて John Gabriel Borkmanを観劇( 1時間45分、休憩なし )。イプセンによる作品です。 タイトルロールの John Gabriel Borkman は、失った権力を息子の Erhart とともに取り戻そうとしますが、息子は父親の考えを受け入れずに家を出て行きます。イプセンは近代演劇の父と呼ばれていますが、親の意志に縛られない若い世代の Erhart の姿は現代的でした。もしもこれがイプセンの劇だと知らずに観劇していたら、現代を生きる同時代人による作品かと思ってしまうほどでした。 On 24 September 2022, I saw and heard John Gabriel Borkman by Henrik Ibsen at Bridge Theatre. The title role, John Gabriel Borkman, tries to regain the power and honour with his son, Erhart. However, Erhart rejects his father's ambition. Erhart, who is young and has his own will, looked like a modern character for me. If I had seen the play without knowing the play was written by Ibsen, I would have thought the play was written by someone contemporary with us. 

A Night At The Kabuki at Sadler's Wells Theatre

2022年9月24日、Sadler's Wells Theatreにて A Night At The Kabuki を観劇 (2時間55分、休憩込み) 。日本では『Q』として上演されている野田秀樹の作品です。 日本人の活躍を海外で目撃できたら嬉しいなと思っていたので、今回のイギリス滞在中に日本のプロダクションを観るのが夢でした。それがかなって嬉しいです。ただ、現地の観客の反応を知りたいと思っていたのですが、観客のほとんどは日本人でした。ロンドンにはこんなに日本人がいるのか、と驚きました。 物語は『ロミオとジュリエット』を源平合戦の文脈で描いたもので、音楽はクイーンという、見どころ満載の作品です。「もしロミオとジュリエットが本当は生きていたら?」という描き方で、シェイクスピアが書いた若いロミオとジュリエットと、創作である大人になったロミオとジュリエットが登場します。つまり、ロミオとジュリエットを演じる役者が4人いるのです。 上演の前半はシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』の筋書きをなぞるような構成でした。その部分では、大人になったロミオとジュリエットが二人の悲劇的な結末を変えようと、若い二人に介入するように登場します。上演の後半は創作で、実は生きていたロミオとジュリエットの物語です。その部分では、まだ見ぬ未来の運命を切り拓こうと、若いロミオとジュリエットが大人になった二人を見守ります。このような、前半と後半での視点の逆転が面白いと思いました。 On 24 September 2022, I saw and heard A Night At The Kabuki by Hideki Noda at Sadler's Wells Theatre. It was a Japanese production, known as Q in Japan. The play is a mixture of Japanese things and British things: the story is about Romeo and Juliet which is rewritten in the context of the Genji and Taira families in late 12th Century Japan, and the musi...

The Two Noble Kinsmen at Shakespeare Institute

2022年9月23日、Shakespeare Instituteにて The Two Noble Kinsmen を観劇(2時間15分、休憩込み)。 ウィリアム・シェイクスピアとジョン・フレッチャーの共作で、シェイクスピア作品上演のシリーズには含まれていないことも多く、観る機会の少ない作品です。そんな珍しい作品ですが、今回の上演ではさらに珍しい演出がなされていました。タイトルにある二人の貴公子とは、パラモンとアーカイト(アーサイトと発音されることもありますが今回はアーカイトでした)です。今回の上演では、そのうちの一人のアーカイトが女性役者によって演じられていました。といっても、最近流行りの役の女性化はなされず、アーカイトの三人称はhe/himでした。ボーイッシュな女性が演じる青年のアーカイトを見せてもらえました。 On 23 September 2022, I saw and heard The Two Noble Kinsmen by William Shakespeare and John Fletcher at Shakespeare Institute. The title roles are Palamon and Arcite. One of them, Arcite, was played by a female actor in this performance. That being said, Arcite was not feminized (as I have seen often these days) but treated as a male character as written in the original. Arcite's third-person pronouns were he/him. We saw male Arcite who was played by a boyish female actor.

The Adventures of Sherlock Holmes at The Attic Theatre

2022年9月21日、The Attic Theatreにて The Adventures of Sherlock Holmes を観劇(1時間55分、休憩込み)。アーサー・コナン・ドイルの'A Scandal in Bohemia' 'The Speckled Band' 'The Final Problem'を一気に上演するという作品でした。 劇場の入口からBaker Streetの表示があり、劇場内は以前シャーロック・ホームズ博物館で見たような雰囲気がそのままに再現されていました。ホームズの衣装もイメージそのままで、ロンドンにあるホームズの銅像で見た通りのものでした。ホームズ、ワトソン、モリアーティー教授、アイリーン・アドラーなどお馴染みの人物が登場し、物語の世界観に引き込まれました。 この上演回は満席でした。また他の回でも、チケット売り場に人が並んでいるところをよく見かけます。イギリスではホームズが人気なのだなと実感しました。 On 21 September 2022, I saw and heard The Adventures of Sherlock Holmes by Sir Arthur Conan Doyle at The Attic Theatre. It was a mixture of 'A Scandal in Bohemia', 'The Speckled Band', and 'The Final Problem'. The auditorium looked like 221B Baker Street, and the audiences were like witnesses of Holmes's cases. The decorations on stage reminded me of what I saw in the Sherlock Holmes Museum. Holmes's costume also reminded me of the statue of Holmes in London. We witnessed the famous characters in the series, such...

A Midsummer Night's Dream at The Attic Theatre

2022年8月31日、The Attic Theatreにて A Midsummer Night's Dream を観劇(2時間45分、休憩込み)。 今回の演出では、ライサンダーが女性として登場し、ライサンドラと呼ばれていました。イギリスで観劇を重ねて気付きましたが、登場人物を女性化する際、名前も女性の名前に変更することがよくあるようです。シェイクスピアの原作では、イジーアスは理由も述べずにライサンダーを拒否し、ディミートリアスをハーミアの結婚相手に選びます。今回の演出では、ライサンダーが女性になったことで、イジーアスが娘の結婚相手を選ぶ基準は性別にあるように見えました(あからさまな同性愛嫌悪ではありませんでしたが)。 ライサンダーの性別が変更されたことによって、矛盾するように見えた場面がありました。それは、アテネの若者に惚れ薬を塗るようにとオーベロンから命じられたパックが、ディミートリアスとライサンダーを間違えてしまう場面です。シェイクスピアの原作では二人ともアテネの男の服装なので、パックが間違えてしまうのも仕方なく思えますが、今回の演出では、男性のディミートリアスと女性のライサンドラが間違われたということで、そんな間違いってある?と思ってしまいました。 ライサンダーの性別の変更は、多様性が問われる時代に合わせた演出だったと思いますが、台詞や場面には矛盾が起きないようにしたいところです。 On 31 August 2022, I saw and heard A Midsummer Night's Dream by William Shakespeare at The Attic Theatre. In this production, Lysander was changed into a female character and called Lysandra. I thought it is common in England that the name of a character is also changed when the gender of a character is changed. In Shakespeare's original, Egeus prefers Demetrius to Lysander for H...