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インサイド・ウィリアム@三越劇場

2025年3月22日、三越劇場にてミュージカル『インサイド・ウィリアム』を観劇(1時間45分、休憩なし)。
シェイクスピア作品からの引用が多く、シェイクスピア自身も登場するフィクションでした。『ロミオとジュリエット』の原稿と『ハムレット』の原稿が混ざってしまい、ロミオ、ジュリエット、ハムレットが作品を飛び出してシェイクスピアの前に現れ、シェイクスピアどうする!?というのが『インサイド・ウィリアム』の大まかなあらすじです。観劇前にあらすじを知った時、『Something Rotten!』や『The Upstart Crow』のような笑えるバックステージものを想像していました。それは確かにそうだったのですが、笑えるだけのミュージカルではありませんでした。登場人物がアイデンティティーについて考え始めるという点で、『作者を探す六人の登場人物』のようなメタ構造の作品だと思いました。『インサイド・ウィリアム』では、作者が登場人物にどう生きてほしいと思うか、および、登場人物が自分の人生をどう生きたいと願うかが対立します。その対立を経て、自分の物語の主人公になろうというメッセージが客席に伝わってくる作品でした。「テアトラム・ムンディ」(theatrum mundi)の考え方を舞台上で見せてもらえたように思います。

On 22 March 2025, I saw and heard a musical Inside William at Mitsukoshi Theater in Tokyo. 
The musical includes citations from Shakespeare's plays. Shakespeare as a playwright, and Romeo, Juliet, and Hamlet as characters appear in the musical. The plot is about what happens to Shakespeare when his drafts of Romeo and Juliet and Hamlet are mingled by accident. Knowing the plot before the performance, I assumed that the mixed stories of two well-known plays would make audience laugh. Actually, it was not only a hilarious musical but also a serious metatheatrical production. I think so because characters (Romeo, Juliet, and Hamlet) think about their own identity with sometimes resisting the playwright's (Shakespeare's) intention. With such a plot, the musical delivers a message that we, both characters on stage and audience in the real world, can live our own lives. I realised the concept of theatrum mundi from the musical.



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A Midsummer Night's Dream at The Other Place

2026年8月28日、ストラットフォード・アポン・エイヴォンのThe Other Placeにて A Midsummer Night's Dream を観劇(90分、休憩なし)。ロンドンのユニコーン・シアターとの共作ということもあり、子供や若者にもアクセシブルな上演でした。ここで「アクセシブルな」と書いたのは、二つの視点からそう思ったためです。 一つは、上演時間が90分で、疲れることなく見られたという点です。それでも、大きくカットされた場面は思い当たらず、満足感を得られる上演でした。実のところ、できるなら上演台本を手に入れて他の版と照らし合わせてみないとカット箇所が分からないくらい、自然な流れでした。子供や若者の集中力を考えても、内容の深さからしても、ちょうど良い上演だと思いました。 もう一つは、登場人物の名前と発せられる台詞が映像のように映し出されていたことです。舞台セットの背景には、色が薄く平らな部分があったのですが、タイミング良く、キャラクターに似合うフォントの文字が踊るように映し出されていたので、単なる字幕というよりは演出の一部のように見えました。これは幼い観客にも伝わりやすいというだけでなく、デジタルの作品に慣れている現代の観客にやさしいものだと思ったので、年齢というよりは世代の話かもしれません。それでも役者たちは身体を駆使して演じていたので、生の演劇としての魅力も感じ取れる、面白い上演でした。 On 28 August 2026, I saw and heard A Midsummer Night's Dream by William Shakespeare at The Other Place in Stratford-upon-Avon. As it was a co-production with the Unicorn Theatre, I thought it was an accessible version for children and young audiences. The word 'accessible' has many meanings, but I say so here based on two ideas below. First, it was a 90-minute-long pe...

A Midsummer Night's Dream at Shakespeare North Playhouse

2026年8月27日、リバプールのShakespeare North Playhouseにて A Midsummer Night's Dream を観劇(2時間35分、休憩込み)。 役者は4人のみ、それでも登場人物・台詞・場面をほとんどカットせずに上演していたので驚きました。一つの場面で二役以上演じることになる場合、役者は小道具を持ち替えることで役が切り替わったことを示したり、ローブを公爵に見立てて話したりしていました。このやり方は、2022年にロンドンのThe Cockpitで観劇した Much Ado About Nothing を思い出させるものでした。その時の5人の役者も、今回の4人の役者も、最後の場面で二組の恋人たちがきれいに並ぶ配役となっていたので、やはり喜劇の中心人物は4~5人必要なのだと、視覚的に実感することができました。もちろん名脇役がいたり、小さな役が良い台詞を言ったりすることもあるので、どの役も無視できないのですけどね。 On 27 August 2026, I saw and heard A Midsummer Night's Dream by William Shakespeare at Shakespeare North Playhouse in Liverpool. There were only four actors, but it was almost a full version of the play. When an actor played two or more roles in one scene, he used props to show which character he was playing. This way of expression reminded me of Much Ado About Nothing , which I saw at The Cockpit in London in 2022. In both productions, actors played two pairs of lovers as their core characters, and they were in charge of other characters too. Then, the two...

Much Ado About Nothing at Shakespeare's Globe

2026年8月25日、Shakespeare's Globeにて Much Ado About Nothing を観劇(2時間25分、休憩込み)。グローブ座を訪れるのは約4年振りでしたが、先週の続きくらいの感覚で観劇できました。以下、ネタバレ注意です。 最後の場面まで笑える箇所がたくさんあり、最後の場面のみ不安が残る、そんな演出でした。笑える箇所としては、ベネディックとベアトリスが騙される場面はもちろん、ベアトリスの才気煥発でドン・ペドロが振られる(?)ところや、"Kill Claudio"の台詞でも客席から笑いが出ていました。テンポが良く、楽しい上演だと全体的には思いました。 しかし最後の場面で、ヒアローは納得していないように見えました。濡れ衣が濡れ衣だったと分かったことは良かったですし、ヒアローとクローディオは確かに結ばれるのですが、めでたしめでたしという雰囲気はなく、ベアトリスとベネディックが結ばれるから「まあいいか」と手を取る、というように見えました。パンフレットの表紙には"Let the battle begin"と書かれていて、はじめはベアトリスとベネディックの「陽気なバトル」のことを指しているのだと思いましたが、もしかしたらヒアローとクローディオのぎくしゃくした感じも暗示されているのでは…と今になって思います。 Much Ado About Nothing はイギリスで人気の作品で、私も何度も観たことがありますが、このような終わり方は初めてでした。 (Caution: contains a spoiler.) On 25 August 2026, I saw and heard Much Ado About Nothing by William Shakespeare at Shakespeare's Globe. It was hilarious until the last scene. The audience laughed a lot, especially when Benedick and Beatrice were tricked, when Don Pedro was rejected by Beatrice (it was not a serious heartbreak th...