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ロミオとジュリエット@Pit昴

2026年7月10日、Pit昴にて『ロミオとジュリエット』を観劇(2時間5分、休憩なし)。
終わり方が印象的でした。例えるなら、二歩進んだ新しさ、という感じでしょうか。従来のエンディングと、それに対する最近の上演での傾向、その両方への反応と思える演出でした。
『ロミオとジュリエット』をシェイクスピアが書いた通りにやると、両家の和解で終わります。これは綺麗な終わり方ですが、理不尽なことも多い現代の視点で見ると、綺麗事にも見えてしまいます。その違和感への反応だと推測しますが、最近の上演では、両家が和解しないまま終わったり、形式的に握手はするけれど皆が睨み合ったままであったり、時には従者が突然銃を構えて皆殺しにしたり…と、様々な演出があります。それらは、現代社会への問題提起としては意義のある演出だと思うのですが、やりすぎるとカタルシスを感じることもなくただ怖い上演になってしまう可能性があります。
今回の『ロミオとジュリエット』は、その中間に位置付けられる演出だったと思います。ここからはネタバレ注意なのですが、ロミオとジュリエットの死後、まず、キャピュレットとモンタギューが握手をします。伝統的で綺麗な終わり方かと思ったところで、不穏な音楽と照明とともに序詞役が登場し、新たな憎しみが生まれることを暗示します。悲劇は繰り返されるということで、やはり最近の上演らしい終わり方か…と思ったところで、今度はロミオとジュリエットが登場します。亡霊としてか、回想としてか、見方は観客次第ですが、二人はバルコニーの場面での台詞をもう一度言うのでした。この演出を観た時、社会が荒んでも、大人たちが汚くても、ロミオとジュリエットだけは純粋なのだと思い、綺麗だと思いました。現実味のある部分を見せられた後だからこそ、芝居ならではの美しさが際立って見えました。そういった意味で、喜劇とは違うあたたかさを感じた上演でした。

On 10 July 2026, I saw and heard Romeo and Juliet by William Shakespeare at Pit Subaru in Tokyo.
It had an impressive ending, which I thought was a reaction to recent productions, which themselves had included reactions to conventional productions.
In Shakespeare's text, the play ends with a reconciliation between two houses. It's a happy ending, but sometimes it seems overly happy, especially when seen in today's world with harshness. Then, there is a reaction to it - I have seen some productions without the reconciliation at the end of the play. Such a direction is understandable but less pleasant as they looked hopeless or chaotic without catharsis.
Romeo and Juliet I saw this time was in the middle of these two ways. At the end of the play, Capulet and Montague reconciled as written in Shakespeare's text, for which I thought was a conventional ending. But then, The Chorus appeared and implied endless hatred, so then I thought the direction was in line with the recent trend. And then (I say 'then' many times in this post, but) Romeo and Juliet came on stage and repeated their lines from the Balcony Scene. The contrast between hostile adults and pure young lovers made Romeo and Juliet look beautiful, without being too idealistic though. 



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A Midsummer Night's Dream at Shakespeare North Playhouse

2026年8月27日、リバプールのShakespeare North Playhouseにて A Midsummer Night's Dream を観劇(2時間35分、休憩込み)。 役者は4人のみ、それでも登場人物・台詞・場面をほとんどカットせずに上演していたので驚きました。一つの場面で二役以上演じることになる場合、役者は小道具を持ち替えることで役が切り替わったことを示したり、ローブを公爵に見立てて話したりしていました。このやり方は、2022年にロンドンのThe Cockpitで観劇した Much Ado About Nothing を思い出させるものでした。その時の5人の役者も、今回の4人の役者も、最後の場面で二組の恋人たちがきれいに並ぶ配役となっていたので、やはり喜劇の中心人物は4~5人必要なのだと、視覚的に実感することができました。もちろん名脇役がいたり、小さな役が良い台詞を言ったりすることもあるので、どの役も無視できないのですけどね。 On 27 August 2026, I saw and heard A Midsummer Night's Dream by William Shakespeare at Shakespeare North Playhouse in Liverpool. There were only four actors, but it was almost a full version of the play. When an actor played two or more roles in one scene, he used props to show which character he was playing. This way of expression reminded me of Much Ado About Nothing , which I saw at The Cockpit in London in 2022. In both productions, actors played two pairs of lovers as their core characters, and they were in charge of other characters too. Then, the two...

The Comedy About Spies at Adelphi Theatre

2026年8月26日、Adelphi Theatreにて The Comedy About Spies を観劇(2時間35分、休憩込み)。2022年に観劇した The Play That Goes Wrong が好きで、同じカンパニーによる上演ということで今回観ようと思いました。予想通り、そして期待以上に面白かったです! タイトルにあるように、スパイについてのコメディーでした。こんなに笑えるスパイものは初めてでした。はじめは驚きましたが、観劇後に気付いたのは、スパイものとコメディーは相性が良いのではということです。スパイはしばしば正体を偽ります。それにより人違いや勘違いも起こりやすくなるので、時には話が噛み合わなかったりして、演劇的に面白いのです。喜劇に振り切ろうと思えば、例えば『間違いの喜劇』のようにすれ違いだらけのプロットにすることも可能だと思いました。もちろん、アイデンティティーを偽る本人は「自分は一体何者なのか」と葛藤することもあるので、そこにフォーカスすればシリアスな芝居にもなります。真面目な作品と笑える喜劇は、スパイの話においては、実は紙一重なのではと思いました。 そのような発見があったので、この感想は真面目風に書いていますが、観劇中は笑いっぱなしでした! On 26 August 2026, I saw and heard The Comedy About Spies  by Mischief at Adelphi Theatre. I liked The Play That Goes Wrong (2022), and I found out that the company is performing The Comedy About Spies this year, so I was thrilled to see this play in London. Indeed, it was hilarious as (and more than) I had expected! There are many serious plays and films about spies, but I had never seen a comedy about them, so I was surprised at its funny scenes...

A Midsummer Night's Dream at The Other Place

2026年8月28日、ストラットフォード・アポン・エイヴォンのThe Other Placeにて A Midsummer Night's Dream を観劇(90分、休憩なし)。ロンドンのユニコーン・シアターとの共作ということもあり、子供や若者にもアクセシブルな上演でした。ここで「アクセシブルな」と書いたのは、二つの視点からそう思ったためです。 一つは、上演時間が90分で、疲れることなく見られたという点です。それでも、大きくカットされた場面は思い当たらず、満足感を得られる上演でした。実のところ、できるなら上演台本を手に入れて他の版と照らし合わせてみないとカット箇所が分からないくらい、自然な流れでした。子供や若者の集中力を考えても、内容の深さからしても、ちょうど良い上演だと思いました。 もう一つは、登場人物の名前と発せられる台詞が映像のように映し出されていたことです。舞台セットの背景には、色が薄く平らな部分があったのですが、タイミング良く、キャラクターに似合うフォントの文字が踊るように映し出されていたので、単なる字幕というよりは演出の一部のように見えました。これは幼い観客にも伝わりやすいというだけでなく、デジタルの作品に慣れている現代の観客にやさしいものだと思ったので、年齢というよりは世代の話かもしれません。それでも役者たちは身体を駆使して演じていたので、生の演劇としての魅力も感じ取れる、面白い上演でした。 On 28 August 2026, I saw and heard A Midsummer Night's Dream by William Shakespeare at The Other Place in Stratford-upon-Avon. As it was a co-production with the Unicorn Theatre, I thought it was an accessible version for children and young audiences. The word 'accessible' has many meanings, but I say so here based on two ideas below. First, it was a 90-minute-long pe...