2024年3月23日、東京芸術劇場プレイハウスにて『リア王』を観劇(2時間55分、休憩込み)。以下、ネタバレ注意です。
2023年8月の『桜の園』に続き、ショーン・ホームズ演出の作品を観劇するのは5回目でした。『桜の園』を観た時、ホームズの演出では水がキーワードになるのではないかという感想を持ちましたが、今回の『リア王』でも、舞台上にウォーターサーバーが置かれていました。共通点を見つけることができて嬉しかったです。
共通点といえばもう一つ。今回の『リア王』では、上演の前半と終盤に、白い壁が背景として使われていたのですが、エドマンドをはじめとする登場人物たちがその壁に文字や図を書くという演出がなされていました。これは2022年にロンドンのサム・ワナメイカー・プレイハウスで観劇した『ハムレット』を想起させるものでした。『ハムレット』では、狂気に陥った(と見せかける)ハムレットの落書きに見立てて、色々書かれた壁が背景として使われていました。『ハムレット』においても『リア王』においても、悲劇の登場人物の不安定な気持ちが、壁の文字や図のうるささに表れていたのかなと思いました。
ショーン・ホームズらしい上演、と言い切るには観劇回数がまだ少ないですが、共通点を見つけられると面白いので、これからも機会があったら観劇したいです。
(Caution: contains a spoiler.)
On 23 March 2024, I saw and heard King Lear by William Shakespeare at Tokyo Metropolitan Theatre.
It was my fifth time to see a production directed by Sean Holmes, a British director. When I saw his last production in Japan, which was The Cherry Orchard in 2023, I thought that Holmes probably cherishes water in his expression. In King Lear, there was a water dispenser on the stage. I was glad to find things in common among his productions.
Speaking of things in common, a wall with graffiti was impressive in King Lear, which reminded me of his production of Hamlet at Sam Wanamaker Playhouse in 2022. In both productions, characters' unsettlement was expressed in such noisy graffiti, I think.
I found something typical in his production, so I want to see his production again to see if my observation is right.