Skip to main content

王女ハムレット@横須賀市立青少年会館

2025年7月12日、横須賀市立青少年会館にて『王女ハムレット』を観劇(2時間、休憩なし)。『ハムレット』の翻案でした。
タイトルの通り、今回の上演では、ハムレットは女性だったのですが、他の多くの役も男女逆転の設定でした。例えば、亡霊はハムレットの母、ガートルードはハムレットの父、クローディアスはハムレットの叔母、といったところです。他にも、オフィーリアはハムレットの恋人の青年、その姉がレアティーズ、ローゼンクランツとギルデンスターンも女性、というように、登場人物名はそのままで、役の性別が変更されていました。最初は少し混乱してしまいましたが、それはもしかしたら私が「この登場人物はこうあるはず」「女性キャラクターはこうあるべき」、などと無意識に思い込んでいるところがあったからかもしれません。先入観や偏見を持たずに、分かったふりをせずに、観劇しようと思いました。
芝居の前半はそのような印象でしたが、後半は胸があたたかくなるようなものでした。例えば、ハムレットの父であるガートルードは、ハムレットの叔母であるクローディアスの策略を途中で知りました。それなので、剣の試合の場面で毒入りの酒を飲んだのも、毒のことに勘付いていた上で、ハムレットを守るためだったようにも見えました。原作では母が息子を愛する様子が描かれますが、今回の上演では父から娘への愛情を見ることができ、役の性別が変わると感じ方も変わるのだと思いました。それでも、親子の愛には胸に迫るものがある、というところは性別が関係ないとも思いました。
時々「次に出てくるあのキャラクターは男女どちらかな」とドキドキしながら見ていたので、ミステリーのようなサスペンスのような観劇体験でした。面白かったです。



Popular posts from this blog

101分のペリクリーズ@シアター風姿花伝

2026年3月5日、シアター風姿花伝にて『101分のペリクリーズ』を観劇(約100分、休憩なし)。以下、ネタバレ注意です。 壮大なペリクリーズの物語を約100分にまとめるということで、台詞や場面のカットがありました。その中で大きな変更点だと思ったのは、第3幕でのセリモンとセーザのやりとりがカットされていたことです。それにより、セーザが実は生きていたということは観客にも知らされず、第5幕でペリクリーズやマリーナが知るまで隠されていました。情報量において観客が優位に立つのはよくあることですが、今回の演出は、ペリクリーズやマリーナが長い喪失の後で再会の感動を味わうのと同時に(同様に)観客もクライマックスを受け取れるのだと思いました。セリモンとセーザの場面のカットは、「物足りない」ではなく「ラストが劇的に見える」と思うやり方でした。 また、種明かしのタイミングの特異性は『冬物語』のハーマイオニを思わせるものでした。それなので、このカンパニーで『冬物語』を観てみたいとも思いました。 (Caution: contains a spoiler.) On 5 March 2026, I saw and heard Pericles by William Shakespeare at Theater Fuusikaden in Tokyo.  They cut some lines and scenes to make the production shorter. I thought the biggest change they made was that Cerimon and Thaisa didn't appear in the middle of the play. Because of this, audience members (if they hadn't known the plot beforehand) didn't know Thaisa survived until Pericles and Marina knew that at the end of the play. Audience members are often given information that characters don't know, so...

十二夜@シアターχ

2026年2月17日、シアターχにて『十二夜』を観劇(2時間45分、休憩込み)。 舞台セットの使い方、特に場面の転換が良かったです。90度ずつ(場面によっては45度ずつ)回転させることで、船にも屋敷にも庭にも見える舞台セットは万能だと思いました。特に好きだと思ったのは、第1幕第1場から第2場に移り変わる時でした。青い衣装を身につけた役者たちが、船に見立てたセットを動かすことで、難破を表現していたと思います。このような演出は、2023年に同じシアターχで上演された 『ペリクリーズ』 を思い出させるものでした。 双子の再会の場面はいつも感動するのですが、今回は双子が海で離れ離れになる場面からグッときました。それはきっと、上記のような場面転換が上手く、役者の演技も相まって、ヴァイオラとセバスチャンの運命が動くことにドキリとしてしまったからだと思います。 On 17 February 2026, I saw and heard Twelfth Night by William Shakespeare at Theatre χ in Tokyo. I liked a versatile stage set; it looked like a ship, a house, or a garden, depending on its angle. Between act 1 scene 1 and scene 2 in particular, actors in blue, who looked like waves, moved the set to show a scene of a shipwreck. This direction reminded me of another production, Pericles , which was performed at the same venue in 2023. I always like the scene of twins' reunion at the end of the play, but this time, I also liked the scene when they were separated. Along with the use of the set, actors' expr...

レイディ・ベス@日生劇場

2026年3月7日、日生劇場にて『レイディ・ベス』を観劇(3時間5分、休憩込み)。 レイディ・ベス(エリザベス一世)が女王として即位するまでを描いたミュージカルです。「歴史ロマン」と謳われていて、プロットは確かにそうなのですが、細かい台詞や演技に目を向けると、家族への想いが丁寧に描かれた作品だと思いました。例えば、メアリーがベスを恐れるのは、王位を脅かす存在ということもありますが、ヘンリー八世、キャサリン・オブ・アラゴン、アン・ブーリンをめぐる家族の問題も背景にあったと思います。また、母のことを裏切り者と思っていたベスが、次第に母への考え方を変えていく様子も、主人公の心情の変化という点で、作品における重要な要素だったと思います。そのようなところに目を向けると、肩書きは「公」の立場であるメアリーやベスが、「私」的な部分を見せてくれたようで、心あたたまるミュージカルだったと思います。 ちなみに、この家族を公/私の両方で見たくなるのは、2019年にシドニーで The Last Wife を観劇した時と同じだと気付きました。 On 7 March 2026, I saw and heard Lady Bess at Nissay Theatre in Tokyo.  It was a musical about Lady Bess (Elizabeth I) before her reign. In that sense, it was about the history, but I thought it was also about a family. For example, Mary Tudor was afraid of Bess because Mary saw Bess as a threat. However, there was not only a political view but also a family matter: the relationship among Henry (their father), Catherine (Mary's mother), and Anne (Bess's mother). Another example was that Bess saw her mother as a woman wh...