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リチャード三世@PARCO劇場

2026年5月30日、PARCO劇場にて『リチャード三世』を観劇(3時間、休憩込み)。
リチャード三世は、残虐な悪役として描かれることも、狡猾な政治家のように描かれることもあるキャラクターです。そんな中、今回のリチャード三世は、悪役、国王、政治家といった枠組みに当てはめなくても「言葉や表情や演技で人を動かせることに気持ち良くなっていった人物」に見えました。「なっていった」と書いたのは、場面が進むにつれて段階的にそう見えたからです。リチャード三世を演じた吉田羊さんは、2024年にハムレットを演じていて、その時にも声の使い分けが特徴的だという印象を受けました。声や表情の使い分けは、登場人物が嘘をついたり、ふりをしたりする場合、普段の演技と比べて二重に大事なものとなりますが、それが上手かったと思います。

On 30 May 2026, I saw and heard Richard III by William Shakespeare at Parco Theater in Tokyo.
Richard can be labelled as a perfect villain, politically wise leader, and so on according to its direction in each production. This time, however, I could see Richard out of such framework, and I found Richard a person who simply enjoys the fact that he can manipulate others by words, expressions, and pretending. An actor who played Richard this time was good at changing her tone of voice depending on scenes when she played Hamlet in 2024 too. Seeing these two productions, I thought Hamlet and Richard were similar in that they had to pretend (with different reasons, though). The actor elaborately played such roles.



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A Midsummer Night's Dream at Shakespeare North Playhouse

2026年8月27日、リバプールのShakespeare North Playhouseにて A Midsummer Night's Dream を観劇(2時間35分、休憩込み)。 役者は4人のみ、それでも登場人物・台詞・場面をほとんどカットせずに上演していたので驚きました。一つの場面で二役以上演じることになる場合、役者は小道具を持ち替えることで役が切り替わったことを示したり、ローブを公爵に見立てて話したりしていました。このやり方は、2022年にロンドンのThe Cockpitで観劇した Much Ado About Nothing を思い出させるものでした。その時の5人の役者も、今回の4人の役者も、最後の場面で二組の恋人たちがきれいに並ぶ配役となっていたので、やはり喜劇の中心人物は4~5人必要なのだと、視覚的に実感することができました。もちろん名脇役がいたり、小さな役が良い台詞を言ったりすることもあるので、どの役も無視できないのですけどね。 On 27 August 2026, I saw and heard A Midsummer Night's Dream by William Shakespeare at Shakespeare North Playhouse in Liverpool. There were only four actors, but it was almost a full version of the play. When an actor played two or more roles in one scene, he used props to show which character he was playing. This way of expression reminded me of Much Ado About Nothing , which I saw at The Cockpit in London in 2022. In both productions, actors played two pairs of lovers as their core characters, and they were in charge of other characters too. Then, the two...

The Comedy About Spies at Adelphi Theatre

2026年8月26日、Adelphi Theatreにて The Comedy About Spies を観劇(2時間35分、休憩込み)。2022年に観劇した The Play That Goes Wrong が好きで、同じカンパニーによる上演ということで今回観ようと思いました。予想通り、そして期待以上に面白かったです! タイトルにあるように、スパイについてのコメディーでした。こんなに笑えるスパイものは初めてでした。はじめは驚きましたが、観劇後に気付いたのは、スパイものとコメディーは相性が良いのではということです。スパイはしばしば正体を偽ります。それにより人違いや勘違いも起こりやすくなるので、時には話が噛み合わなかったりして、演劇的に面白いのです。喜劇に振り切ろうと思えば、例えば『間違いの喜劇』のようにすれ違いだらけのプロットにすることも可能だと思いました。もちろん、アイデンティティーを偽る本人は「自分は一体何者なのか」と葛藤することもあるので、そこにフォーカスすればシリアスな芝居にもなります。真面目な作品と笑える喜劇は、スパイの話においては、実は紙一重なのではと思いました。 そのような発見があったので、この感想は真面目風に書いていますが、観劇中は笑いっぱなしでした! On 26 August 2026, I saw and heard The Comedy About Spies  by Mischief at Adelphi Theatre. I liked The Play That Goes Wrong (2022), and I found out that the company is performing The Comedy About Spies this year, so I was thrilled to see this play in London. Indeed, it was hilarious as (and more than) I had expected! There are many serious plays and films about spies, but I had never seen a comedy about them, so I was surprised at its funny scenes...

冬物語@吉祥寺シアター

2026年9月19日、吉祥寺シアターにて『冬物語』を観劇(2時間30分、休憩込み)。 演劇集団円×中屋敷法仁によるシェイクスピアのロマンス劇という共通点のため、2023年の 『ペリクリーズ』 を思い出す上演でした。これは、似ているから新鮮味がないというのではなく、似たものを両方見たからこそ、シェイクスピアが『ペリクリーズ』でも『冬物語』でも(もしかしたら他の作品も含めて)描きたかった共通のテーマを感じ取れたと思います。 例えば『冬物語』における、主人公を手助けする羊飼いたち、「時」の存在、家族が生きていたと気付き始めて心を乱すレオンティーズ、再会の場面での音楽の役割などは、『ペリクリーズ』における漁師たち、ガワーという語り手、同様に心を乱すペリクリーズ、サイサが息を吹き返す時やマリーナと再会する時の音楽、といった要素と呼応します。それらの並列を通して、私が思うシェイクスピア(のロマンス劇)的なテーマは、一つには語り手の口を借りたり音楽を用いたりして観客の想像力をかき立てること、そしてもう一つは登場人物がそう信じればそれが真実になるということだと思いました(後者も想像力と言えばそうですね)。ハーマイオニの石像が動き出す場面など、文字で追うだけでは滑稽にも見える種明かしですが、レオンティーズたちが「今にも動き出しそうだ」と心からそう言って、それが本当に動き出し、レオンティーズがやっとハーマイオニの手に触れる、という場面だから観客も感動するのだと思いました。 作品のジャンルによって程度の差はあるものの、演劇というメディア自体、想像力を必要とするものです。そのことを、教わるのではなく、観劇を通して実感できてよかったです。