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Showing posts from June, 2022

イギリスでの学会発表 / A conference in England

イギリスでの学会発表が無事に終わりました。足を運んでくださった皆さま、オンラインで聞きに来てくださった方々、ありがとうございました。研究成果は今後のResearch / Activityの欄に譲るとして、ここではイギリスと日本の学会発表の違いについてまとめたいと思います。イギリスでの学会発表に参加するのは初めてだったので、新たな発見がありました。 まず、発表者でスーツを着ている人はほとんどいないということです。少しフォーマルな私服を着ている人がほとんどでした。日本では、スーツ姿で発表に臨む人がほとんどなので、違いとして挙げられると思います。 次に、ハンドアウトの配布がないということです。日本では(近年は感染症対策の影響で配布があるのか分かりませんが)少なくとも数年前まではハンドアウトの配布が当たり前でした。スライドの内容や文献からの引用をまとめたものを配るのが当然だと思っていたので、イギリスではそれがないことに驚きました。 また、パワーポイントの最初や最後のスライドに連絡先を書きますが、イギリスの学会では、メールアドレスとともにTwitterのアカウントを書いている人が多く、驚きました。イギリスではTwitterをアカデミックな目的で利用する研究者が多くいると聞きました。日本では、Twitterはより私的なものとして普及しているので、その違いが興味深いと思いました。 最後に、イギリスの学会というより今回の学会に限った話かもしれませんが、学会最終日の夜にパーティーがありました。"Party"といっても懇親会のようなものかなと思っていたら、音楽ありダンスありクイズ大会ありの、文字通り「パーティー」でした。日本ではなかなかできない体験ができて楽しかったです。 I had a presentation at a conference in England. Thank you for everyone who attended either onsite or online. It was my first time to attend a conference in England, and I found differences between English ones and Japanese ones, so I write about them...

Richard III at Royal Shakespeare Theatre

2022年6月23日、Royal Shakespeare Theatreにて Richard III を観劇(3時間5分、休憩込み)。シェイクスピアの Henry VI, Part 3 に続く作品です。(以下、ネタバレ注意です。) 4月に観劇した Wars of the Roses (タイトルが変えられていますが、 Henry VI, Part 3 にあたる作品です)は、続きが気になる終わり方をしていました。華やかなダンスの中、リチャードが意味ありげな微笑みを見せて暗転、という終わり方でした。今回の Richard III は、同じようなダンスから始まり、 Wars of the Roses の時と同じ役者によって演じられるリチャードの独白が続きました。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーがこの二作品を続き物として扱っている姿勢が伺える演出でした。 マーガレットの存在も印象的でした。マーガレットも、 Wars of the Roses の時と同じ役者によって演じられていました。 Richard III だけを観劇すると、嘆き悲しみ恨みを吐くマーガレットは悲劇的な存在に見えます。しかし Wars of the Roses とともに観劇すると、マーガレットがプランタジネット家にしてきた行動が脳裏に浮かぶので、彼女は悲劇的な存在ではなくなります。観客の中でもマーガレットの見え方が変わってくるのは興味深いと思いました。 このように、続き物だからこその感想を持てた上演でした。 (Caution: this post includes the content of a production. If you're going to see the production, you might not want to read this post before you see it.) On 23 June 2022, I saw and heard Richard III  by William Shakespeare at Royal Shakespeare Theatre. It was the sequel of Wars of the Roses (i.e. Henry VI, Part 3 ). Wars of the Roses  ended wit...

Victoria and Albert Museum

ロンドンにあるヴィクトリア・アンド・アルバート・ミュージアムを訪れました。時代別、地域別、展示物のジャンル別に様々な展示室がありましたが、一番興味深かったのはTheatre & Performanceの展示室です。「パフォーマンス」の指す範囲は演劇、ミュージカル、映画、舞踊と幅広く、ポスター、衣装、舞台セットの模型、劇場の模型など色々な展示物を見ることができました。 衣装のコーナーでは、前日に訪れた Matilda の衣装や、思い入れのある作品の一つである Wicked の衣装も展示されていて嬉しかったです。 劇場の模型は忠実につくられていて、グローブ座の模型の前では「この前この席に座ったな」「その前はこっちの席から観劇したな」と探すように見入ってしまいました。 I visited Victoria and Albert Museum in London. Among various exhibition rooms, the most interesting room for me was the one called "Theatre & Performance". The word "performance" included play, musical, film, and dance. There were posters, costumes, miniatures of stage sets, miniatures of theatres, and so forth. I was glad when I found the costumes used in Matilda , which I saw in the previous day, and the costume of Elphaba in Wicked , which is one of my favourite musicals. The miniatures of theatres looked real. When I saw the one of Shakespeare's Globe, I was thinking "I sat on this seat on the other day" and ...

Matilda at Cambridge Theatre

2022年6月18日、Cambridge Theatreにて Matilda を観劇(2時間35分、休憩込み)。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーによるミュージカルということで、前から気になっていました。(以下、ネタバレ注意です。) 同じ劇団によるミュージカルだからかかもしれませんが、主人公マチルダの強さや存在感は、以前観劇した The Magician's Elephant の主人公の妹であるアデルを思わせるところがありました。 The Magician's Elephant については、 こちらの記事 をご覧ください。 また、映画にもなった A Little Princess を想起させるところもあると思いました。主人公が想像力でお話を聞かせ、聞き手を魅了する場面や、子供嫌いの厳格な校長が登場するところなどが似ていると思いました。 Matilda は12月に映画化、来春には日本初演とのニュースを最近聞きました。タイムリーな作品をイギリスで観劇することができてラッキーでした。映画版、そして日本版のミュージカルも楽しみです。 (Caution: this post includes the content of a production. If you're going to see the production, you might not want to read this post before you see it.) On 18 June 2022, I saw and heard Matilda at Cambridge Theatre. It is a musical by the Royal Shakespeare Company. The protagonist, Matilda, reminded me of Adele in The Magician's Elephant , perhaps because these two musicals were produced by the same company. As for The Magician's Elephant , you can find how it was like from  this link . Also, it remind...

The Theatre Courtyard

ロンドンにある、The Theatre(劇場座、シアター座などと訳されます)の跡地に行ってみました。シェイクスピアの劇団がグローブ座の前に使っていたとされる劇場の跡地です。他の劇団の上演も行われていたようです。跡地と言っても、何かが残っているわけではなく、現在は"Apartments - Offices"と書かれた建物が建っていました。 そのすぐ近くには、シェイクスピアの像がベンチに腰掛けるようにつくられていました。せっかくなので、シェイクスピアと自撮りをしました。人が行き交う中で少し恥ずかしかったですが、良い記念になりました。 I went to see a place where The Theatre was originally located. The Theatre was a playhouse in which Shakespeare's company, Lord Chamberlain's Men, performed their plays. It is also said that other companies performed there. When I went there, I found a building saying "apartments - offices" and there were no historical remains. However, there was a bench near the place, and Shakespeare's statue was sitting on the bench. I took a selfie with him!

John Heminge and Henry Condell Memorial

ロンドンにあるジョン・ヘミングとヘンリー・コンデルの記念碑を見に行きました。二人はシェイクスピアと同じ劇団で活動していた俳優で、シェイクスピアの死後、1623年に出版された彼の全集であるファースト・フォリオを編集した人物です。現存するシェイクスピアの作品の中には、ファースト・フォリオで初めて収録された作品もあるので、この全集がなかったら現在の私たちが知るシェイクスピアは異なっていたかもしれません。そう考えると、ジョン・ヘミングとヘンリー・コンデルの業績は大きく、記念碑が建てられるのも頷けます。 二人の銅像が建っているものだと思い込んでいたのですが、行ってみたら、建っていたのはシェイクスピアの胸像でした。 I went to see John Heminge and Henry Condell Memorial in London. They were fellow actors and friends of Shakespeare, and they edited his First Folio after his death, which was published in 1623. The First Folio included his plays which had not been published before, so Shakespeare's fame might be lost without their effort. At first, I guessed there were statues of John Heminge and Henry Condell, but when I went there, actually there was a statue of Shakespeare.

Peter Pan at The Attic Theatre

2022年6月5日、The Attic Theatreにて Peter Pan を観劇(1時間35分、休憩込み)。予想通り家族連れが目立ちましたが、子供の頃好きだった作品なので、一人でも観に行くことにしました。 前回訪れた時の記事 にも書いたように、The Attic Theatreは小規模な劇場です。そのような劇場で、スペクタクルな作品をどのように演出するのか、気になっていました。演出で最も興味深かったのはティンカーベルの表現方法です。ティンカーベル役の役者はおらず、光で表現していました。ティンカーベルが現れたり消えたりするのが一瞬で、マジックのようでした。はじめは他の役者たちが光るおもちゃか何かを持ってスイッチをオンオフにしているのかと思いましたが、役者たちの手元を見ても何も持っていませんでした。次に考えたのは、役者たちの指先に蛍光塗料を塗り、照明を当てて表現していたのかということでしたが、天井を見てもそのような仕掛けはなさそうでした。どのような方法でティンカーベルを見せていたのか、最後まで分かりませんでしたが、タネが分からないからこそ、子供たちも大人の観客も夢中になって観ていました。 On 5 June 2022, I saw and heard Peter Pan by J. M. Barrie at The Attic Theatre. It was a family-friendly play but I went to see it on my own, because the story was one of my favourites. As I wrote in a former post , The Attic Theatre is a small venue. I was interested in how they would perform the spectacle play at such a small theatre. The most interesting thing for me was how they expressed Tinker Bell. It was expressed by light instead of by a human actor. She (the light) appeared and dis...