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Showing posts from October, 2021

シェイクスピアの学校 / Shakespeare's Schoolroom

シェイクスピアが通っていた学校(グラマースクール)へ行ってみました。実際に使っていたと言われる教室も見ることができました。当時の教室がどのようなものだったか知ることができ、シェイクスピアの同級生気分(?)を味わうことができました。 シェイクスピアは大学には行きませんでしたが、大学出の同時代人に劣らない作品を書いたと言われています。それは通っていたグラマースクールの教育のレベルが高いからと言われています。私はシェイクスピアと教育(シェイクスピアをどのように教えるか)を研究している身ですが、シェイクスピアがどのような教育を受けていたのかを知るのも面白いですね。 I visited the grammar school which Shakespeare attended. I experienced the classroom where he studied, and I felt as if I were his classmate.  Although Shakespeare didn't attend a university, he wrote great plays as "University Wits" did. This may be because the quality of the education he had in the grammar school was high.

The Magician's Elephant at Royal Shakespeare Theatre

2021年10月19日、Royal Shakespeare Theatreにて The Magician's Elephant を観劇(2時間50分、休憩込み)。家族向けのミュージカルと宣伝されていましたが、子供っぽいということはなく、笑いあり感動ありの良い作品でした。 孤児だと言われていた少年が、実は妹が生きているかもしれないと知り、妹を探す物語です。きょうだいの再会というプロットは『十二夜』や『間違いの喜劇』を思わせるところがありました。他にもシェイクスピア作品のオマージュのように思えるところが多くあり、シェイクスピア好きにはたまらないものでした。例えば警官たちのドタバタは『から騒ぎ』のドグベリーとヴァ―ジスのように見え、何かが起こりそうな前触れの怪しげな気候は『ジュリアス・シーザー』や『マクベス』のようで、高慢な伯爵夫人は『夏の夜の夢』のティターニアに見え、地位を気にする(けれど笑いものにされる)伯爵は『十二夜』のマルヴォーリオのようで…などなど。プロットは作家が書いたものなので、どこで上演しても誰が演出しても『十二夜』や『間違いの喜劇』に似ると思いますが、それ以外の要素はロイヤル・シェイクスピア・カンパニーが上演したからこそシェイクスピア作品に似て見えたのかなと思いました。今回が初演という新作だそうですが、今後もし他で上演されるなら観に行って比較してみたいです。 On 19 October 2021, I saw and heard a new musical, The Magician's Elephant at Royal Shakespeare Theatre. This musical is about a boy, who has been said to be an orphan but actually he is not. He hears that his sister might live and he starts seeking her. The plot about finding a sibling sounds like that of  Twelfth Night and The Comedy of Errors by William Shakespeare. In addition, there wer...

The Witness for the Prosecution at London County Hall

2021年10月16日、London County Hallにて The Witness for the Prosecution を観劇(2時間30分、休憩込み)。邦題は『検察側の証人』という、アガサ・クリスティーによる法廷ミステリーです。8月から9月にかけて日本で上演されていて、観に行きたかったけれど行けなくて残念に思っていたところ、ロンドンでも上演があると知り行くことにしました。 日本版を見ていないので比較はできませんが、ロンドン版で面白いと思ったのは、劇場がまるで法廷のように作られていたことです。半円形の舞台を囲うように座席があるのですが、座席の種類が陪審員席、傍聴席、それを見下ろす2階席、というように分けられていました。私は金銭的な都合で2階席の最後列のチケットを購入したのですが、陪審員席や傍聴席で体験型の観劇をするのも良いなと思いました。 日本版の出演者の一人が、裁判と演劇は似ているとおっしゃっていました。その逆も言えるわけで、劇場を傍聴席のようにすることも可能なわけです。そう思わせてくれたロンドンでの観劇だったので、やっぱり日本版も観たかったなぁと、良い意味での悔しさが残った帰り道でした。写真は、開演前に2階席から撮った舞台・陪審員席・傍聴席の様子です。 On 16 October 2021, I saw and heard The Witness for the Prosecution  by Agatha Christie at London County Hall. The most interesting thing of the production was that the theatre was made like a court: audience's seats were classified as jury's seats (called VIP Jury), visitor's galleries (like visitor's seats for a court), and upper galleries (called Witness Box).  An actor who played The Witness for the Prosecution in a Japanese producti...

Twelfth Night at Shakespeare's Globe

2021年10月15日、Shakespeare's Globeにて Twelfth Night を観劇(2時間30分、休憩なし)。シェイクスピア作品の中で一番頻繫に観る作品だけれど、まだまだ新鮮に見える上演でした。(以下、ネタバレ注意です。) ヴァイオラの登場シーンについて まず印象的だったのは、1幕2場、ヴァイオラの登場シーン。客席(立見席のエリア)から登場し、"What country, friends, is this?"と観客に問いかけるので、劇場全体が作品の舞台・イリリアであるように思えました。チケット予約時や入場時に"Welcome to Illyria"と表記されていた意味がその時分かりました。 この場面で驚いたのは、ヴァイオラがエリザベス一世のような風貌をしていたことです。当時の女性らしいドレスで登場する演出は見たことがありましたが、ここまで特定の人物を思わせる演出は初めて見ました。 役者と役の性別について 今回の上演では、女性の役者によって演じられる男性の役もありました。サー・トービー・ベルチ、マルヴォーリオ、フェステなどです。このような演出の好みはさておき、 Twelfth Night でそれをやってしまうとヴァイオラの男装が薄れてしまうのでは?と心配してしまいましたが、観劇後、余計な心配だったと思いました。サー・トービー・ベルチは酔っ払いのおじさんに見え、マルヴォーリオはオリヴィアに愛されていると思い込んで舞い上がる執事に見え、フェステは身のこなしの軽い少年のような道化に見え、もちろんヴァイオラも、女性らしさが時々透けて見える男装姿に見えました。月並みな表現ですが、役者の演技が素晴らしかったです。 ラストシーンのヴァイオラについて 5幕1場、ヴァイオラの双子の兄・セバスチャンとの再会により、もつれた糸がほぐれ、ヴァイオラは女性の姿に戻ることになります。ここで新鮮だったのは、彼女がダブレット(男性用の上着)を脱ぎ捨て、自分が妹のヴァイオラだと言いながらセバスチャンに抱きつくという演出です。実はこの場面、原文には「女性の服を着る」といったト書きや台詞はなく、細かく読むとヴァイオラの女性の服を預かっている船長は捕まっているという状況で、「本当に女性の姿に戻れるのか?」「本当にハッピーエンドなのか?」とい...

Marugame Udon

ロンドンにあるMarugame Udonへ行ってみました。今年7月にオープンしたばかりだそうです。ロンドンではカツカレーもブームだと聞いたので、Katsu Curry Udonを食べてみました。カツ、カレー、うどん、どれも想像していた以上に日本の味でした。他にも天ぷらや緑茶などが売られていて、日本の味が恋しくなった時には頼りたいお店だと思いました。 In London, I tried "Marugame Udon", a restaurant for Japanese noodles. I ordered Katsu Curry Udon (chicken cutlet and curry on noodles), and it tasted same as Japanese one. They also sell Japanese foods and drinks such as tempura and green tea, so I found the restaurant good for my Japanese stomach. 

留学中のトラブル コーチ編 / What does it mean by coach?

先日、英語力のせいでヒヤッとした出来事がありました。ロンドンのユーストン駅から移動する予定で、切符には"Coach D, Seat 43"と書いてありました。コーチと呼ばれる長距離バスに乗ったことがあったので、このコーチもバスのことだと思い込んでしまいました。「バス乗り場Dから出発する長距離バスの43番の座席なんだな」と思い、乗り場を探すも、バスが来る気配はなく…。道行く人に尋ねたら、それは列車のことだと教えてくれました。実はコーチには車両という意味もあり、切符に書かれていた意味は「列車のD車の43番」でした。それに気付いたのが出発5分前。バス乗り場からホームまで走り、なんとかギリギリ間に合いました。英語力はもちろんのこと、事前に調べることや、本当に分からない時は誰かに尋ねることも大事だと思いました。 On the other day, I almost got in trouble due to my English skills. I intended to depart from Euston in London, and I had a ticket saying "Coach D, Seat 43". I mistakenly thought the coach on the ticket meant an express bus whose name was D, because I had taken an express bus called a coach before. So I waited for a bus, but of course, it didn't come. Then I asked a passersby and she told me it was not a bus but a train. The word coach has another meaning, which is a carriage. I realised that 5 minutes before the train leaves, so I ran to a platform and I barely caught the train. I thought it was important to loo...

Blithe Spirit at Harold Pinter Theatre

2021年10月9日、Harold Pinter Theatreにて Blithe Spirit を観劇(2時間20分、休憩込み)。ノエル・カワードによる喜劇です。死別や再婚、嫉妬を扱っているのに、こんなに笑えるのは何故だろう?と思えるくらい、面白かったです。サマセット・モームの『夫が多すぎて』やウィリアム・シェイクスピアの『間違いの喜劇』などが好きな人なら特に気に入る喜劇だと思いました。 On 9 October 2021, I saw and heard Blithe Spirit by Noël Coward at Harold Pinter Theatre. It contains the first wife's death, remarriage, and jealous wives, but still it's a comedy which audiences can't help laughing. I think you find the play interesting and enjoyable if you like comedies such as  Too Many Husbands by Somerset Maugham and The Comedy of Errors by William Shakespeare.

Romeo and Juliet at Shakespeare's Globe

2021年10月8日、Shakespeare's Globeにて Romeo and Juliet を観劇(1時間50分、休憩なし)。現代化された上演でした。衣装や小道具が現代風というだけでなく、現代の若者が抱える心理的不安や社会問題を突き付けてくるような上演でした。胸が痛かったけれど、こんなロミオとジュリエットもあるのかと驚き、観ることができて良かったです。(以下、ネタバレ注意です。) ジュリエットはボクシングをしながら登場し、バルコニーのシーンでは現代風の歌を歌うという、今時なおてんば娘という感じがしました。いずれの場面でも、喜劇かと思うくらい、観客の笑いを誘っていました。だからこそ、その後の悲劇への転落が、落差によって胸が痛くなるのだと思いました。 ロミオの人物造形で一番驚いたのは、ティボルトへの復讐の場面です。原文ではマキューシオが刺された後、命を落としたと知らされてロミオはティボルトを刺してしまいます。しかし今回の上演では、マキューシオが刺されてすぐにティボルトを刺すので、ロミオは喧嘩っ早いようにも見えました。 そんなカップルなので、前半は現代のティーンエイジャーによる恋の話のようだと思いました。しかし後半、特に二人が自ら命を絶つ時には、実行するまでがスピーディーで、他の選択肢を奪われた若者の閉塞感が見えました。身近なところで起こりそうな話のようにも見えたので、まさに「芝居は鏡」だと思いました。 衣装や雰囲気を現代風にする上演は何度か観たことがありましたが、テーマまで現代に寄せて突き付けてくるような上演は初めて観ました。そういった意味で、ユニークな上演だと思いました。

National Gallery

グローブ座で観劇するためロンドンへ!夜公演まで時間があったので、日中はナショナル・ギャラリーへ行ってきました。 一番印象的だったのはジョヴァンニ・ベッリーニによる総督レオナルド・ロレダンの肖像。昔、美術の教科書で見てから気になっていた絵を生で見ることができました。あの光沢を直接見られる日が来るとは…! 美術館全体の感想としては、展示されている絵と展示室の雰囲気がどのお部屋も合っていると思いました。細かい展示室がたくさんあり迷子になりかけましたが、雰囲気を含めて楽しめました。 そして例のごとく、カナレットの絵を見て感動しました。ナショナル・ギャラリーにはたくさんの所蔵があるようで、カナレットと彼の同時代の画家による絵画だけで一部屋使われていました。世界中の美術館にあるカナレットの絵を見てみたい!という夢に一歩近付くことができました。 I visited the National Gallery in London. The most impressive work for me was "Doge Leonardo Loredan" by Giovanni Bellini. Its expression of luster had a reality and I found it beautiful. There were many exhibition rooms in the National Gallery, and I thought each room was decorated to suit the paintings in the room. I enjoyed not only paintings but also exhibition rooms. And they had a collection of works by Canaletto, who is my favourite artist, and his contemporaries. It is my dream to see his works as many as possible!

中庭で授業 / A module held in a courtyard

先週に引き続き、Theatre Practiceの授業を楽しんでいます。今日の授業は中庭で行われました。ウォーミングアップのゲーム、自分の呼吸を知るためのエクササイズ、シェイクスピアのソネットや芝居の一部を用いたアクティビティーなど、盛りだくさんでした。 今日の担当の先生はボイスコーチの経験がある先生でしたが、授業の目的はあくまでも、アクティビティーを通してシェイクスピア作品の理解を深めること。先生自身がそうおっしゃっていたので、ユニークな授業のある大学院だなと、そして参加できて良かったなと、つくづく思います。 Same as last week, I enjoyed a module of Theatre Practice. Today, it was held outside: with feeling the air of a courtyard, we learned our own pace of breathing and the right posture, and we exercised with Shakespeare's sonnets and lines. Again, it is not a training for actors. These activities are important for us as scholars to understand Shakespeare. I admire this idea and I'm glad to be in such an interesting module.

エイヴォン川のボート / Ferry on River Avon

教会の近くにボート乗り場がありました。シェイクスピア作品の登場人物名がついたボートで、どれも乗ってみたい!と思いました。 「ボート」と書きましたが、英語表記では"Ferry"とありました。カタカナで「フェリー」と言うと大型客船をイメージしてしまうので、言葉の違いも面白いと思いました。 On River Avon, there is a small pier for ferries. Each ferry has a name of a character in Shakespeare's plays. Helena, Portia, Ursula, Ophelia, Cressida, Volumnia... which ferry would you like to board? By the way, as a Japanese speaker, it looks like "boat" rather than "ferry". Finding different use of vocabularies is interesting.

Holy Trinity Church

Holy Trinity Churchへ行ってきました。シェイクスピアのお墓がある教会です。訪れるのは二度目でしたが、今回は晴れた日の夕方だったので、ステンドグラスから差す光がより綺麗でした。 I went to Holy Trinity Church in Stratford-upon-Avon, where Shakespeare's grave is. This was my second time to visit there, but this time I felt fresh: the stained glass looked more beautiful because it was sunny early evening. 

実演の授業を楽しんでいます! / Theatre Practice

新学期が始まって一週間、授業は難しいけれど頑張っています。そんな中で一番面白いと思ったのはTheatre Practiceという実演の授業で、シェイクスピアの台詞を声に出して読んだり、動きを含めて演技をしてみたり、という点で他の授業とは異なるものです。大学院でこのような授業があるとは…と驚きつつ、楽しんでいます。 この授業は俳優を育てるためのものではなく、実演を通してシェイクスピアの作品をより深く理解することを目的としているそうです(大学院だから当然か…)。それを知ると、大学院生として真面目に取り組まなければ、と思います。もちろん、楽しみながら! Having done my first week in this semester, I found a module "Theatre Practice" interesting. This module asks us to read Shakespeare's lines aloud and to act some scenes with physical movements. I think it's unique to have such a module in a graduate school. The aim of the module is not to train actors, but to make us understand Shakespeare's lines more deeply through reading and acting. I agree with this approach, so I will do my best and enjoy the module!